1. ホーム
  2. MOA美術館全国児童作品展
  3. 審査員賞以上の作品 絵画

主な作品と講評

絵画の部 <絵画講評>遠藤友麗 先生
 今年度は、東日本大震災があったにもかかわらず応募総数が今回も増え30万点を超える大量な数となりました。しかもMOAの作品は、絵を描くのに時間をかけてしっかり描いていることと、普段の生活をしっかりと見つめて自分独自の表現方法で描いた絵が多いのが特徴です。
このことは小学生ながら、描く狙いをしっかりと持ち、独自の表現方法で楽しみながら根気強く描き「初めから最後まで、自分の感性でしっかり描こう」という強い意志が働いていることがわかります。
外国の子どもの絵にその国らしい楽しく温かい表現が見られます。それらが他の絵のコンクールに無いMOAの特徴と言えるでしょう。「児童が好きで絵を描くとこんなにもすごい絵が描けるんだ~」と審査員一同、驚きと小学生の描く力と心の温かさや鋭さを感じています。
このことは毎年同じで、本当にうれしくも頼もしい限りです。“子どもの絵”には“力み”がなく、自分の感じ方で物事をとらえながら心を入れ込み、まさに「描くことを楽しんでいる」といった姿が目に浮かんできます。審査員たちは「子どもの心に見習わなければ」という絵を描く心構えの原点を改めて自覚させられます。絵は写真と違って「自分の心に感じたことを自由に楽しくのびのびと、しかも狙いをしっかり持ってつくり出すもの」です。
賞に数の限りがあるため惜しくも入賞しなかった大量の作品たちも皆その人でなければ描けない素晴らしい表現の絵ばかりでした。子どもたちが描くことを後押ししていただいた学校の先生やご家族の方々にも感謝をするとともに、来年度もまた一層の力作を送ってください。

審査員賞以上の作品紹介 絵画

文部科学大臣奨励賞(1学年の部) 「大きなカニつかまえた」

静岡県伊豆市立中伊豆小学校1年 高田 恭羽
ぼくはさかなつりが大すきです。今年の夏休みに、おとうさんおかあさんと三人で海にいきました。海岸であそんでいるとき、岩のあいだに大きなカニを見つけました。僕の手よりも大きくてこわかったけど、おとうさんに手伝ってもらってつかまえました。こんな大きなカニをつかまえたのは初めてです。うれしくてうれしくて、その様子を絵に描きました。大きなハサミをひろげてカニがおこっているようすと、カニがアブクを出すようすを描くのがむずかしかったです。できたとき、僕は、上手に描けたと思いました。
遠藤先生のコメント
自分の体よりもはるかに大きいすっごいカニを捕まえ「わ~い、すっごいのをつかまえたよ!」といった喜びが画面いっぱいに表現されています。彩りも美しく後ろにいる仲間たちの表情も喜びがあふれています。色彩も明るく喜びを表すにぴったりの色づかいで画面全体を一層盛り上げています。

文部科学大臣奨励賞 (2学年の部) 「空まで高く」

神奈川県小田原市立富士見小学校2年 相良 湧冴
僕とおねえちゃんが、どこまで高くこげるかきょうそうしたときの絵です。僕はおねえちゃんに負けないように、いつも空高くつくぐらい高くこぎます。むずかしかったところは顔のひょうじょうです。工夫したところは空です。一色の絵の具に、水のりょうを少しずつ変えてぬったところです。いつも見ている空のように出来たのでよかったです。
遠藤先生のコメント
おねえちゃんとどこまでたかくまわれるか!といった競争の真剣さと楽しさの感じがダイナミックに表現されています。地面や木々や空を斜めに表現しているところがダイナミックさを一層強調しています。このようなダイナミックな表現がもっと多くの人の絵に出て来るとよいと思います。

文部科学大臣奨励賞(3学年の部) 「わたしとしいちゃん」

和歌山県日高川町立和佐小学校3年 濱田 佳凛
夏休みに、いとこのしおりちゃんが北海道から遊びに来ました。しおりちゃんはまだ1才です。毎日私といっしょにキャーキャー言って遊んでいました。ある日、家のとなりの畑にいってみると、うすむらさきのナスの花がとってもきれいに咲いていました。むらさき色のナスもとても大きかったです。私は、すごくきれいでピカピカ光っているナスを、絵に描いてみたくなりました。大好きなしおりちゃんもいっしょに描きました。今年の夏はとても暑かったけど、本当に楽しい夏休みでした。しおりちゃんにまた遊びに来てほしいなあと思いました。
遠藤先生のコメント
いとこのかわいいしいちゃんとの「なす取り」の絵。しいちゃんと一緒の濱田さんの方が楽しいといった感じで温かい雰囲気が表現されています。体の大きさとなすの色の感じがとてもよく表わされています。画面全体に大きく人物を描いたことは迫力があり成功ですね。

文部科学大臣奨励賞(4学年の部) 「飛べないホタル」

広島県海田町立東小学校4年 藏下 翼
「とべないホタル」の本の読み聞かせを聞いて、飛べないホタルが男の子につかまりそうになったとき、仲間のホタルがつかまってくれたところに感動しました。その後、男の子はつかまえて、家に持って帰りました。病気で寝たきりになっている女の子にホタルを見せてあげました。
遠藤先生のコメント
「とべないホタル」の物語の一部を美しく表現しています。画面を真っ暗にせずうす暗くしているところへ淡い色の画面構成で暗い中でも光を発するホタルの光の幻 想感まで表現できています。ホタルを捕まえようとする手とホタルの光がとてもうまく表現されています。

文部科学大臣奨励賞(5学年の部) 「節句祭」

尼崎市立園田北小学校5年 橋本 東佳
加西市のおばあちゃんの家に行くと、小さい時からワクワクしながら見に行っていた春の節句祭。おみこしの迫力や、豪華できれいな飾り、太鼓の音に威勢のいいかけ声。みんながにぎわっている様子を描きたいと思っていたけど、たくさんの人や、細かい飾りの立派なみこしを描く勇気がなくて、むずかしいとあきらめていました。5年生になって、失敗してもいいからチャレンジしてみようと思って描きました。人の動きや複雑な飾り、すべてがとても細かくて、下描きにすごく時間がかかりました。工夫したところは、担ぎ手の着物の青色がみんな同じ色にならないように、絵の具を混ぜて、5色ぐらいの青色を作り、少しずつ色を重ねたり、水でふきとったりして変化をつけました。私は12色の絵の具しか持っていなかったので、金と銀の絵の具を初めて買いました。飾りがとても豪華でピカピカひかっているところがとても気に入っています。完成したときはとてもうれしかったけど、すごく疲れました。最後に、3週間毎日私の横ではげましてくれたり、アドバイスしてくれたお父さん、お母さんに感謝しています。
遠藤先生のコメント
加西市のおばあさんの家に行ってみた「節句祭り」の大ききさにびっくりするとともに、その大きさと祭りの雄大さが画面いっぱいに表現されています。神輿の色彩の強さとそれを担いでいる人たちの構成が実にうまく構成して表現されています。一緒に「わっしょいわっしょい」と担ぎたいです。

文部科学大臣奨励賞(6学年の部) 「農作業をおえて」

高松市立円座小学校6年 水沼 成
この作品を描こうと思った理由は、民家と農具が夕日に照らされておもむきのある風景だったので、いい絵が描けそうだと思ったからです。僕は、MOAで1年生から5年生まで選んでくれたので、小学校最後なのでがんばろうと思って、丁寧に時間をかけてじっくりと描きました。民家の木の木目を、古さが出るように色ぬりを工夫しました。かわらや木の木目を、細かく描くことに苦労しました。完成したときは嬉しかったです。
遠藤先生のコメント
昔から農作業をしてきた家の感じと収穫したものを干している風景が画面構成よく温かい感じで表現されています。農機具の形も一つ一つきちんとしっかり描かれており、よく観てしっかりと描く作者の几帳面な性格が感じとれます。秋の感じをとてもよく表現する色づかいですね。

外務大臣賞 「天までとどけ!!」

山口県山口市立興進小学校4年 新名 一心
僕は、お正月にお父さんとたこあげをしました。昨年は牛を描いたので、今年は大すきなたこを描こうと思いました。本を借りてきて、いろんなたこがあることを知りました。工夫したところは、たこの中の魚と、たこ糸を細かく描いたところです。
遠藤先生のコメント
お正月に大きな凧を揚げる日本独自の習慣があるのか多くの人がいろいろな凧を作って上げている祭りの感じがよく表現されています。大きな凧と小さな人との比較 が凧の大きさを一層大きいものにしています。ダイナミックで美しい凧の絵もとても雄大で楽しく描かれています。

外務大臣賞 「40才のサクラ!満開できれい!」

千曲市立治田小学校4年 飯島 佳音
40歳をむかえたサクラの木の後ろに、自分が住んでいる町が並んでいて、とてもきれいだったからこの絵を描きました。主役の、大きなサクラの木をひきたてようと思って描きました。枝の分かれたところや、細かいところにまで花を付けることに苦労しました。あと、空の青色の、濃いところと薄いところを塗りわけるところを工夫しました。完成して、私は「40年生きたサクラの木をよく表現できた。」と思いました。そして「自分では100点だ!」と思いました。
遠藤先生のコメント
大きな大きなサクラの木の満開で美しい風景をダイナミックにとらえて表現しています。画面のほとんどをサクラの花で埋めたことでサクラの大きさを、ちょっとの青空を配してサクラの美しさが一層強く表現されています。人が手をつないだら何人つなげばよいだろう?といった興味も持たせます。

外務大臣賞 「夢の遊園地」

タイ国パーンタイサーマッキイ小学校4年 プレムワデー ケオカムコン
私は夢の遊園地の絵を描きました。夢の遊園地は靴の形です。靴のもようは虹です。遊園地にはプールがあり、おいしいケーキもあります。みんなが、もっときれいな遊園地を、いっしょに作っています。みんな楽しくて、とても幸せです。
遠藤先生のコメント
日本にはない楽しそうな発想の子どもの遊園地。明るくきれいな色で楽しい遊園地の様子を本当に楽しく表現しています。上には虹の遊び場もあり下面の中の一人ひとりの動きが皆違って楽しそう。子どもたちが発送して作った夢の遊園地といった感じです。本当にこのような遊園地を作りたいですね。

厚生労働大臣賞 「みんなでバーベキュー」

神奈川県まなづる真鶴町立まなづる小学校5年 関野 優樹
この作品を描いた理由は、家族で楽しくバーベキューをしているところを描きたいと思ったからです。描いているときは、お肉を本当に焼いているような気持ちで描きました。焼いているけむりがむずかしかったです。でも完成したときは、自分が思ったように描けたので、すごくうれしかったです。
遠藤先生のコメント
家族でバーベキューを食べに行った時のことを絵に表現したものですが4人の動きがそれぞれに面白く楽しそうに表現されています。みんながそれぞれに手を出して自分のものを焼いている。“家族そろって楽しい一家”という感じがよく表現されています。

日本PTA全国協議会会長賞 「牛って大きいな!」

足利市立葉鹿小学校3年 石井 郁乃
牛を描くのもたいへんだったけど、まわりの人たちのこまかいとこや、草のところを筆をたてて描いたから大変だった。けど牛をとっても大きくリアルに描けたところが工夫したところです。

全国子ども会連合会会長賞 「音楽会」

高砂市立米田小学校1年 園田 葵
保育園の楽しかった音楽会のことを思い出しながら描きました。たのしい気持ちになりました。

農林水産省生産局長賞 「ナス農家のおばあちゃん」

柏崎市立比角小学校6年 島 あかり
このようなすばらしい賞をとることができて、大変うれしいです。夏の暑い中、何日もかけて一生懸命に描いて、本当によかったと思います。この絵を描くのに、苦労したり悩んだりしたことはたくさんあります。その一つが、おばあちゃんの表情です。笑ったら顔のしわがどうなるのかをよく考えて、一線一線しわを丁寧に描きました。また、二つ目はナスです。積み上げられているナスの色を少しずつ変えて、本物のナスに見えるように色をぬりました。ナスが輝いている様子を、うまく表わすことができました。  私は絵を描くことが大好きです。自分の気持ちを表現できるからです。私たち比角小学校は、夏、立山自然教室に行きました。室童から見た山々の様子は、とても美しかったです。その景色をぜひ、絵にしてみたいと思っています。

審査員賞 「せんこう花火」

大船渡市立越喜来小学校5年 大津 希梨
夏休みに、いとこと一緒にせんこう花火をしました。せんこう花火はとてもきれいでした。とても楽しい時間をすごしました。その楽しかった思い出を絵にしました。私の夏休みの思い出の絵が認められてとてもうれしいです。私の絵を見た人が、楽しくなったり、感動したらもっとうれしいです。大好きな絵を、これからもずっと描き続けたいと思います。

審査員賞 「つなみにおそわれた港-がんばれ石巻-」

三島市立西小学校5年 松橋 征吾
地震の後、お父さんに連れられて、2回東北に行ってきました。1回目は4月に南三陸町に行ってきました。ガレキがたくさんで、とにかく海くさかったです。つなみの力はすごくて、こわいと思いました。2回目は8月に、石巻と女川に行ってきました。建物の屋上に、流されていたバスが乗っていたり、ビルがたおれていました。石巻の港では漁船が打ち上げられていてかわいそうでしたが、近くでショベルカーが、こわれた港を直していました。早く魚をとってほしいと思いました。こわれた船と細かいところがなかなか描けなくて大変でした。

Copyright (C) 2009,MOA MUSEUM OF ART All Rights Reserved.  MOA美術館 MOA MUSEUM OF ART 静岡県熱海市桃山町26-2 TEL:0557-84-2511