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主な作品と講評
書写の部 <書写講評>加藤泰弘 先生
MOA美術館全国児童作品展は、高い作品のレベル、出品点数から言えば、日本を代表する屈指の書写のコンクールです。今年は136.083点の応募があり、昨年より7.820点も増加致しました。
また、東日本大震災のため環境が整わない中での、たくさんの児童の皆さんの応募があり、作品への思いが伝わってきて深く心に刻まれました。この最難関のコンクールに毎年たくさんの作品が応募されることに、深くお礼を申し上げますとともに、学校、地域、家庭が一体となった支援体制のますますの充実をお願い致します。
「書写」はただ、文字を正しく整えて書く練習をすることだけではありません。自分の思いを「言葉」に乗せて、その気持ちを一点一画の中に込めることでもあります。
皆さんが書いた作品の一点一画をていねいにたどると、作品から皆さんのひたむきな心が伝わってくるのです。特に受賞された作品は、一点一画しっかりとしていて、配列がすばらしく、気持ちの充実や集中力が感じられました。また、書かれた感想文とともに、もう一度作品を観ると、その作品への思いが書かれた「言葉」と一体となって、光を放っているかのようでした。ここでの貴重な体験をこれからの学びや将来に生かしてほしいと思います。
審査員賞以上の作品紹介 書写

文部科学大臣奨励賞(1年生の部)
玉野市立宇野小学校1年 立花 和香奈
この作品は、小学生になってはじめての夏休みに、はじめて出品した作品です。暑い中、まいにち練習をつづけました。「か」の一画目のはねかたや、「に」の一画目のふで運びがむずかしくて、泣いたりしたこともあったけれど、いっしょうけんめいがんばって、ほんとうによかったと思います。これからも努力することを忘れず、お習字をつづけていきたいです。ありがとうございました。
加藤先生のコメント
一筆一筆が、つながりをもって書かれ、力がみなぎっています。本当にすばらしい作品に仕上がりました。「か」の一筆目の終筆から二筆目につながる自然な筆の運びはみごとです。名前も筆のはたらきを生かして書かれています。

文部科学大臣奨励賞(2年生の部)
岩国市立灘小学校2年 森脇 優
僕は、友だちがたくさんできたらいいなと思いながら、この作品を書きました。力強く、大きく書けるように、何枚も何枚もくりかえし練習しました。こんなに大きな賞がもらえて、とてもうれしいです。これからもたくさん練習して、もっと上手になれるようにがんばります。ありがとうござました。
加藤先生のコメント
紙面いっぱいを上手に使ってまとめています。力強い書きぶりから、「ともだち」がたくさんできたらいいなという強い思いが伝わってきます。名前もしっかりした書きぶりで、きれいにまとめています。

文部科学大臣奨励賞(3年生の部)
和泉市立鶴山台北小学校3年 真砂 夏月
自由課題なので、お習字の先生と相談して、「たび立ち」に決めました。今年の四月頃からおけいこを始めました。「び」の形がむずかしくて、何回も何回もおけいこしました。だんだん上手に書けるようになってきました。こんな大きな賞をいただいて、とてもうれしかったです。ありがとうございました。これからも一生懸命におけいこをして、来年も賞をもらえるようにがんばりたいです。
加藤先生のコメント
一筆一筆とてもていねいに書かかれ、紙面のまとめ方もすばらしいです。また、筆の動きが軽やかで、リズムが感じられる作品になりました。むずかしい名前も余白を生かしながら上手にまとめています。

文部科学大臣奨励賞(4年生の部)
桑名市立益世小学校4年 岡村 かがり
私はこの字を、秋の足音を思いうかべながら書きました。この字を書いているとき、ふと庭を見たら、アゲハチョウと赤とんぼが仲良く飛んでいるのを見て、気持ちがなごみました。少しずつ夏から秋へ、さわやかで力強い足音を感じました。特に苦労したところは「足」の「口」の大きさと、最後のはらいの長さとのバランスです。何百枚も練習して、かっこよく力強い字が書けたので、とても満足しています。これからも先生の教えをよくきいて、たくさん練習して上手になりたいです。
加藤先生のコメント
一点一画がとてもしっかりと書かれています。また、すっきりとした書きぶりから、秋のさわやかさが伝わってくる作品です。文字の大きさや配列もすばらしく、紙面のなかにぴったりとおさまっています。

文部科学大臣奨励賞(5年生の部)
鹿児島市立錦江台小学校5年 平 菜里花
私が「月夜の海」を書こうと思ったきっかけは、書道教室の題材で四ツ切りの作品を書いたことがあったからです。でも一枚の半紙に書いてみると、字のバランスをとるのが難しくて、なかなか上手に書くことができませんでした。一字一字も、とめ、はね、はらいが四文字全部きれいにそろった作品がなかなか書けず、何枚も何枚も練習しました。今回私が一生懸命書いた「月夜の夜」が奨励賞という大きな賞をいただけたことはとてもうれしかったです。これからも日々練習して、少しでも書道が上達できるように頑張っていきたいと思います。
加藤先生のコメント
漢字と平仮名がきれいに調和したすばらしい作品です。安定した筆使いで書かれ、一点一画が充実し、とても伸びやかです。紙面に対して四つの文字がぴったりとおさまり、絶妙なバランスで書かれています。

文部科学大臣奨励賞(6年生の部)
一関市立山目小学校6年 千葉 優稀
世界遺産に登録された「平泉の文化遺産」で有名な、岩手県の平泉町は、私の家から近い隣町です。私は四年生のときから、姉といっしょに、登録が実現する事を祈りながら、平泉の文化遺産に関した語句を毎年秋に画仙紙に書いて、その作品を平泉の中尊寺に奉納してきました。そして今年6月26日、待ちに待った世界遺産登録が決定されました。私はうれしくなり、その気持ちを込めて、今回「平泉文化遺産」を書くことにしました。ところがこれまで、半紙に漢字六文字を書いたことがなかったので、六文字をバランスよくおさめるのに苦労しましたが、なんとか書き上げることができました。これからさらに、世界遺産登録決定をお祝いする気持ちをこめた、別の語句を画仙紙に書き、この「平泉文化遺産」の作品といっしょに、平泉中尊寺に奉納したいと思っています。
加藤先生のコメント
書いた「言葉」に対する思いが伝わってくる作品です。画数の異なる六つの漢字をバランスよく紙面にきれいにまとめました。とてもきめ細やかな書きぶりで、書いた時の気持ちが点画のすみずみまでゆきわたっています。

厚生労働大臣賞
春日井市立白山小学校5年 松林 恵里奈
この字「親切な心」をどうして書いたかというと、みんなが親切な心を持って、人に接してもらいたいと思ったからです。人に親切にしたらその人はうれしいと思うし、そうやってどんどん親切の輪が広がるといいなと思って書きました。書くときに「親」の字の「見」の部分が紙に入りきらなくなったりして、何回もがんばって書きました。なのでこのような賞をもらってうれしく思います。ありがとうございました。
加藤先生のコメント
紙面全体からこの言葉に対する気持ちが伝わってきます。安定した筆使いで一点一画、ゆるぎない筆使いで書かれています。漢字と平仮名が良く調和し、紙面全体を使い切り、すばらしいバランスでまとめています。

日本PTA全国協議会会長賞
島田市立島田第三小学校4年 平林 愛奈
私は小学校に入学してから、学校を休むことなく毎日通い、かいきん賞です。お友達と笑ったり、勉強したり、遊んだり、家族とおいしいご飯を食べたり、毎日楽しくすごせているのは、私が「元気」だからです。毎日の当たり前の幸せは、この「元気」からくるんだ、なぁ、と思いこの文字を書くことにしました。「元気」という文字を書く時に注意したことは、文字の意味にふさわしいく元気よく書くことです。作品を見た人がこの作品から「元気」を感じることができる文字を書きたいと思いました。元気のよい力強い文字を表現するために苦労したことは、はねやはらい、線を力強く書くことです。何枚も何枚も毎日たくさん、自分が納得できるまで練習しました。「成せば成る」と私をはげましてくれた家族も賞をいただいてとても喜んでくれました。これからも、この作品のように「元気」に力強く毎日を過ごしていきたいです。

全国子ども会連合会会長賞
呉市立荘山田小学校5年 酒井 七海
毎年、夏休みになるとコンクール作品に挑戦してきましたが、五年生の今回は、なかなか課題が決まりませんでした。画数も多く、筆使いもむずかしくなってきたからです。「流星」に決めてからは、迷うことなく頑張れました。いつも書道教室の先生が言われる「名前も立派な作品」このことも忘れない様にしました。書道展で、今まであこがれの様な気持ちで「奨励賞」の作品をみてきましたが、その大賞をいただけたことは、とても信じられないくらい嬉しいかったです。私にとって「流星」は、流れ星のイメージと共に大切な文字になりました。書道を頑張って続けてきて本当に良かったと思います。

農林水産省生産局長賞
奈良市立明治小学校4年 宮﨑 祐輔
僕は、アノマノカリスやきょうりゅうが大好きです。古生代や、中生代の生物に、一度でいいから会ってみたいです。だから、「古代生物」のなかの「生物」と書きました。書く時にはうでを大きく動かして、生き生きと、のびのびした字になるように工夫しました。今までで一番上手に書けたと思います。

審査員賞
気仙沼市立南気仙沼小学校6年 畠山 祐紀
私は3月に震災を経験しました。私も避難生活をするなかで、みんなで協力し、自分にできることを進んでする大切さを知りました。また、全国から来たボランティアの方々が、一生懸命がれきの片付けをする姿を見て、とても感動しました。このようなことから「奉仕活動」という言葉がいいのではないかと思い、この言葉を選びました。筆であまり書いたことのない字なので、バランスがなかなかとれず苦労しましたが、何枚も練習して、なんとか仕上げることができました。思いどおりの作品ができたときはとてもうれしかったです。ずっと習っている習字も、いっそう力を入れて練習し、これからもがんばっていきたいと思います。
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