阿弥陀如来坐像

作品情報

データ

時代 鎌倉時代(12世紀末~13世紀初期)
素材・技法 銅造鍍金 一躯
サイズ 総高86.4㎝ 像高50.6㎝

解説

上品下生印(じょうぼんげしょういん)を結ぶ銅造金箔押しの阿弥陀如来坐像で、流れるような衣文線とあまり肉厚のない体躯は平安時代後期の様式を踏まえたものである。全体を一鋳にせず、頭体の中心部、右肩から先、膝前部、左手先をそれぞれ別鋳とし、鈉(ほぞ)などによって接ぎつける手法を用いているが、これは平安時代以来盛んに行われた木彫の木寄せ法と同じもので、金銅仏としては特異な例である。こうした平安時代的様式をもちながらも、背筋を伸ばした安坐の姿や眼尻の少し上がった、きりっとした相好などは鎌倉時代の仏像に見られる特徴で、鎌倉時代初期の制作になるものと推定されている。上代以降、久しく衰退していた金銅仏の鋳造が、再び盛んになった鎌倉時代の大作として貴重である。鎌倉時代には、いわゆる善光寺式の阿弥陀立像の作例は数多く知られているが、このような上品下生印の阿弥陀坐像の作例は珍しく、注目される。もとは出羽羽黒山の本地仏として安置されていたとの伝承があるのも面白い。