国宝「紅白梅図屏風」と所蔵名品展【終了しました】

2014年01月31日(金)~03月12日(水)

 このたび梅の咲く季節に合わせ、国宝「紅白梅図屏風」を1/31~3/12の期間中、限定公開します。さらにコレクション中の優品を選び、名品展を開催します。
 京焼の大成者・野々村仁清作 国宝「色絵藤花文茶壺」、古筆名蹟の集大成 国宝 手鑑「翰墨城」の国宝3点を同時に公開し、その魅力に迫ります。
 さらに奈良時代一木造の重文「聖観音菩薩立像」をはじめとする仏教美術、重文「樹下美人図」や重文「佐竹本三十六歌仙切 平兼盛像」などの中国・日本絵画、重文「山水人物蒔絵手箱」等の漆工芸など、伝統に培われた香り高い東洋美術の精華をお楽しみください。

主な作品




国宝 紅白梅図屏風   尾形光琳

国宝 紅白梅図屏風   尾形光琳
江戸時代 18世紀

 国宝「紅白梅図屏風」は、江戸時代中期の画家、尾形光琳の最晩年期の一大傑作であり、後世の絵画・工芸表現に多大な影響を与えた日本美術を代表する作品です。背景を省略し、梅の木と流水だけをクローズアップさせています。白梅の樹の大部分を画面外にかくし、紅梅は画面一杯に描いて左右対照の妙をみせます。中央に水流をおいて未広がりの微妙な曲面をつくり上げた構図は、光琳の独創といえます。

 

 

 中央の流水文の絵画表現は、近年の科学調査により、銀箔地に水文をマスキングし、周囲の銀を黒色に硫化変色させるという極めて類のない工芸的な手法である事が判明しました。呉服商「雁金屋」の御曹司だった光琳は染色技法に親しく、本作品の金銀地に対して防染技術の試みを垣間見せる大変興味深い作例です。

 

 

 花弁を線描きしない梅花は、のちに光琳梅として愛好されます。花びらの中は金彩で花弁を軽やかに描き。開花した花よりも多い蕾は、同じ大きさで描かれ、枝をつたいながらリズミカルに配列されています。

 

 

 樹幹は、琳派の絵師たちの作品に良くみられる「たらし込み」が用いられ、質感を見事に表現しています。水分を多く含んだ墨によって幹を描き、まだ乾かないうちに、やや濃い墨や薄い緑をたらすようにして複雑ににじませています。さらに、白緑(びゃくろく)で点状の苔を細かく描き込むなどの工夫が随所に見られます。

国宝 手鑑 翰墨城

国宝 手鑑 翰墨城
奈良~室町時代

 手鑑「翰墨城」は、「藻塩草」(京都国立博物館蔵)「見ぬ世の友」(出光美術館蔵)とともに、古筆三大手鑑の一つとしても有名です。「翰墨城」の名は、翰(筆)と墨によって築かれた城という意味で、まさに名筆の宝庫にふさわしい名称といえるでしょう。奈良時代から南北朝・室町時代の各時代にわたる古筆切が、311葉が収められています。古筆家に伝来し、後に益田家が旧蔵しました。

国宝 色絵藤花文茶壺  野々村仁清

国宝 色絵藤花文茶壺  野々村仁清
江戸時代 17世紀

 京焼色絵陶器の大成者、仁清の数々の遺作中、この茶壺は最高の名作です。艶麗優美な、装飾性豊かな作行で、京風文化の象徴ともいえます。温かみのある白釉の上に、巧みな構図で藤の花が、赤や緑、紫、金、銀などで描かれています。轆轤の名手として知られる仁清が薄く均等に挽き上げた端正な姿で、文様と器形が優れた調和を見せ、底裏に「仁清」大印が捺されています。丸亀藩主(香川県)京極家に伝来しました。

重文 山水人物蒔絵硯箱

重文 山水人物蒔絵硯箱
鎌倉時代 14世紀

 合口造りの手箱で、縁に錫の置口を廻らし、側面には松竹を透彫りにした金銅製の紐をつけています。黒漆地に梨地を施し、蓋表・側面には筏流し、鵜飼や山水の景色を、また蓋裏および懸子には、梨地に鷺、飛鳥文様を、多様な蒔絵技法を駆使して表わしています。鎌倉時代には、絵画的表現に写実性と立体感を高めるための蒔絵技法が極めて発達し、この作品もその代表的で保存状態の良い作品です。

重文 聖観音菩薩立像

重文 聖観音菩薩立像
奈良時代 8世紀

 左手に蓮華の蕾を持ち、頭部に三面宝冠をつけて立つ菩薩像で、冠中央に龕(ずし)に入った如来像が表され、観音菩薩の基本形として聖観音と呼ばれています。頭頂部から蓮華の台座までを一木から彫り出す技法で制作された檀像で、量感ある体躯の表現、衣や宝飾の綿密な彫り出しなどに、中国唐時代彫刻の影響を伺わせます。比叡山延暦寺に伝来したといわれています。