花籠図
データ
作者 | 伝 銭選 |
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時代 | 中国・南宋~元時代(13世紀) |
素材・技法 | 絹本著色 一幅 |
サイズ | 27.6×25.7㎝ |
解説
竹を粗い目で編んだ取手付きの籠に、切花をいっぱい詰め込んだ色彩鮮やかな作品で、筆者は銭選と伝えられている。蓮花・百合・牡丹・芙蓉・薔薇・柘榴(ざくろ)など、季節を度外視して装飾的に盛りこんだものだが、そこに何ら不自然さを感じさせないばかりか、むしろ気品の高い香気を漂わせている。宋末元初にはこのような花卉 (かき)画が好まれ、写実風にとらえた精密な描法を駆使して、小画面に自然の一角をまとめる形態の作品が画院の画家たちによって描かれていた。この図はその伝統を示すものとしてはなはだ貴重である。