重要文化財
童子経曼荼羅図
データ
時代 | 鎌倉時代(13世紀) |
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素材・技法 | 絹本著色 一幅 |
サイズ | 87.0×48.0㎝ |
解説
童子経曼荼羅は、「護諸童子経(ごしょどうじきょう)」により、生まれた小児の保命と長寿を祈願する修法の本尊である。主尊は天龍八部衆のうちに数えられる乾闥婆(けんだつば)神王で、弥酬迦などの十五鬼神を縛して、胎児や小児を守護する神として尊崇される。この図は、中央に、右手に十五鬼の首をさした三叉戟(さんさげき)を持って坐す乾闥婆神王を大きく描き、その周囲に裸の童子に近寄るさまざまの動物や女神などの姿で表された十五鬼神を散らしている。総体にきわめて特異な構図だが、当時は絵画などの造形活動が一つの頂点に達した時代で、描線も色彩も美しく整っており、一流の絵仏師によるものと思われる。この種の遺品は本図のほかには京都智積院本が知られるのみで、この点においても貴重な作品である。教王護国寺(東寺)伝来。