重要文化財
平兼盛像(佐竹本三十六歌仙切)
データ
時代 | 鎌倉時代(13世紀) |
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素材・技法 | 紙本著色 一幅 |
サイズ | 36.5×58.0㎝ |
解説
現存する歌仙絵は、秋田藩主佐竹家に伝来したため佐竹本と呼ばれる二巻の歌仙絵巻が最も古いものとされる。本図の平兼盛像は、上巻の最後に描かれていた。平安時代末期に始まる人物描写の個性的な表現は、鎌倉時代に入っていっそう各人物の特徴をよく示すようになり、似絵(にせえ)と呼ばれるようになるが、その代表的なものがこの佐竹本三十六歌仙絵巻である。目鼻立ちには簡潔で的確な線が伸びやかに施され、眉の描写では細線を数回引き重ねて豊かな表情が表されるなど、優れた技巧を示している。
(賛詞)
従五位上行駿河守平朝臣兼盛
光孝天皇後一品式部卿是忠親王曾孫
従五位上興我王孫従五位上筑前守篤行
二男母宮道氏朱雀村上冷泉圓融華山
一条六代人
かそふれはわか身につもるとしつきを
おくりむかふとなにいそくらん