重要文化財
洋人奏楽図屏風
データ
時代 | 桃山時代(16世紀) |
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素材・技法 | 紙本著色 六曲一双 |
サイズ | 各 93.1×302.4㎝ |
解説
桃山時代、キリスト教の伝来とともに、当時宣教師たちによって運営されたコレジオやセミナリオなどの学校では、信徒子弟への体系的な教育が行われ、セミナリオでは絵画教育も行われていた。ヨーロッパ絵画の主題や技術が、主に聖画や銅版画を中心に教授されたらしく、この屏風も、キリスト教の布教効果をあげるべく、洋画教育を施された日本人によって描かれたものであろう。港の見える丘陵で音楽を楽しみ、読書や雑談をする洋人の光景を描いたもので、羊のいる樹木、愛の神殿、城郭などは、いずれも西洋中世銅版画に描かれた題材である。しかし、日本の顔料を胡桃(くるみ)油か荏油(じんゆ)に溶いて油絵の効果を出し、以前の日本画には見られない陰影のある立体表現など、外来技法習得の跡が見られ、日本絵画史上特異な画風として注目される。