男女図

データ

作者 礒田湖龍斎
時代 江戸時代(18世紀)
素材・技法 絹本著色 双幅
サイズ 各 85.2×31.8㎝

解説

礒田湖龍斎は、明和から天明期(1764~89)に活躍した絵師で、初め鈴木春信に私淑して春信風の浮世絵版画を多く制作した。後に春信の夢幻的な美人画とは異なり、より現実味のある肉筆画をもっぱら描くようになり、晩年、浮世絵師としては例外的に「法橋(ほっきょう)」位を与えられている。本図の若衆は、唐桟縞の長羽織を着、黒無地の表着をちょっとつまんで、ねずみ色の下着の唐桟を見せて、当時の江戸趣味の粋な着付けを見せる。この若衆が冬衣裳の伊達姿であるのに対し、娘は朱赤の長襦袢が透けて見える絣の透綾の着物に、広幅の帯を締めた夏姿である。娘の髪型は大きく鬢の張った灯籠鬢で、男女ともに天明年間の流行の風俗である。

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