桟橋二美人図
データ
作者 | 喜多川歌麿 |
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時代 | 江戸時代(18世紀) |
素材・技法 | 絹本著色 一幅 |
サイズ | 96.5×37.3㎝ |
解説
本図は、桟橋に立つ深川芸者と、三味線箱をかかえ猪牙(ちょき)船の舳先を押さえてしゃがみ込んでいる仲居を描いたものである。桟橋上にあぶなげに立つ両人を支えるように、大きく描かれた三味線箱が画面に安定感を与え、川風に波立つ川面の描写も見事である。川風にはだける裾前を押さえながら見返る芸者の容姿には、粋な深川芸者の気質が感じられ、透綾の絣から透けて見える朱赤の長襦袢の表現や、女性の表情・姿態の描写に歌麿の円熟した技量が見られる。