三彩壺
データ
時代 | 中国・唐時代(8世紀) |
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素材・技法 | |
サイズ | 一口 高21.8㎝ 口径12.1㎝ 胴径21.9㎝ 底径11.6㎝ |
解説
古く中国人は、この世は仮の住まいで、冥界こそ永遠の住み家と考え、副葬の風習に従い、種々の明器(めいき)を作った。隋・唐時代には明器も華麗なものとなり、三彩釉を施した多種多様なものが知られる。本図の三彩壺はその一種で、「万年壺」と呼ばれるものである。万年壺という名称は、中に穀物を入れて霊の永久を祈る意味から出ている。肩のところが丸くふくらんだ完好な姿、それが万年壺の生命であり、いかにも唐時代の人らしい豊かな気分を表している。白く化粧がけをした後、緑釉地に白抜きで梅花文を縦に並べ、藍彩を点じている。これら緑釉地の文様帯の間には褐釉と藍釉で三本の縦線を施し、三本線の間の白地には蝋抜きで連珠文を表している。蝋抜き模様は、唐時代に発達した染色の技法が応用されたものである。緑釉の発色が、特に鮮やかである。