志野遠山檜垣文茶碗 銘 山路

データ
時代 | 桃山時代(16世紀) |
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素材・技法 | |
サイズ | 一口 口径13.6×12.0㎝ 高10.3㎝ 高台径5.7㎝ |
解説
志野は、桃山時代の天正・文禄年間(1573~96)頃に美濃で作られた、わが国最初の白い釉のかかった焼きものである。温かく柔らかい感じのする、わが国独特の焼きものとして、多くの人から親しみをもたれている。 本図の茶碗は、百草(もぐさ)土と呼ばれる志野特有の柔らかみのある土を用いて、厚手で大振りに挽 (ひ)き上げられている。志野茶碗としては"作意"(創意工夫)のある姿で、腰は高く、見込みが深い。口縁は山の端風に変化をつけ、これに呼応した気分で腰回りに箆(へら)目を一条引いている。胴には遠山に檜垣と松を鉄絵具で描き、その上に長石釉を厚くかけている。釉は滑らかに溶けて釉肌に温かみを感じさせ、火色も見えている。内箱蓋表に金粉字形で「志野 山路」と記されている。