総体に薄作りで、文様の外縁が少し盛り上がるという、戦国時代特有の様式を示す鏡である。地文はなく、三本の沈線で囲まれた広い文様帯に、三匹の〓龍が身体を絡ませた図文を薄肉彫りで表している。それぞれの体躯には渦文・雷文などが施されている。〓龍文は、同時期の青銅器の文様によく見られる、古文様である。中央には、三本の弦を並べたような鈕があり、その周囲は無文である。