菩薩半跏像
データ
時代 | 中国・唐時代(8世紀) |
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素材・技法 | 銅造鍍金 一躯 |
サイズ | 総高31.2㎝ |
解説
両足を前で組んで坐す像を結跏趺坐(けっかふざ)像と呼ぶのに対し、片足を垂下させて坐す像を半跏像と呼ぶ。中国盛唐期(8世紀頃)の様式として流行したものである。隋時代の仏像表現に見られるようになった写実性とボリューム感は、唐時代に入ってさらに動きの要素が加わり、鋳造技術の進歩によって、人体表現に近い写実性が見られるようになる。この像は頭頂から蓮茎までのすべてを一鋳とし、瓔珞(ようらく)のところどころには、当初玉石を嵌め込んでいた跡が見られ、頭髪にも細い毛筋を刻むなど、全体に入念な作りが見られる。豊かな体躯と自由な表現、さらに半跏という動きのある形式は、たとえば京都・宝菩提院の菩薩半跏像にも見られるように、わが国平安時代初期の彫刻に多大な影響を与えたものと考えられる。