展覧会
未来へつなぐ陶芸―伝統工芸のチカラ
2022.12.17(土) - 2023.01.23(月)
概要
わが国が誇る工芸技術の一つである「陶芸」は、時代とともに技法や表現が多様化し、今日まで著しい進化を遂げてきました。とりわけ昭和戦後期以降には、陶芸家の創作活動が活発になり、意欲的な作品が次々と発表されています。
本展は公益社団法人日本工芸会陶芸部会の50周年を記念し、伝統陶芸の活動の歩みと多彩な展開を紹介するものです。歴代人間国宝の名品をはじめ、草創期に勢力を二分した日展や伝統の世界に刺激を与え続けている陶芸家の作品、さらには新進作家らの最新作を取り上げ、その歩みと未来へとつなぐ陶芸の技と美を137名の陶芸家による作品で紹介します。
第I章「伝統工芸(陶芸)の確立」
日本工芸会の初期の活動を支え、その存在を知らしめるきっかけとなった陶芸家の優品を展示し、伝統陶芸の神髄を紹介します。
(出品作家/金重陶陽、加守田章二、藤本能道、松井康成、三輪休和ほか 19作家19点)
松井康成「練上嘯裂文大壺」1979
茨城県陶芸美術館
【伝統工芸(陶芸)と創作工芸(陶芸)】
日本工芸会と勢力を二分する日展の代表的な作家の作品を 紹介します。
(出品作家/板谷波山、六代清水六兵衞、楠部彌弌 3作家3点)
板谷波山「葆光彩磁和合文様花瓶」c.1914-19
MOA美術館
【人間国宝(重要無形文化財保持者)の存在】
1955年に陶芸分野で初の重要無形文化財保持者となった4名 の代表作を紹介します。
(出品作家/荒川豊蔵、石黒宗麿、富本憲吉、濱田庄司 4作家5点)
石黒宗麿「彩瓷柿文壺」1959
東京国立近代美術館
富本憲吉「色絵金銀彩四弁花染付風景文字模様壺」1957
東京国立近代美術館
第II章「伝統工芸(陶芸)のわざと美」
多彩な展開をみせてきた伝統陶芸の技と美の広がりを紹介します。
(出品作家/井上萬二、十三代今泉今右衛門、中島宏、𠮷田美統ほか 33作家33点)
𠮷田美統「釉裏金彩牡丹文飾皿」2017
東京国立近代美術館
【産地と表現】
窯業地が育んだ独自の作風を紹介します。
(出品作家/伊勢﨑淳、市野雅彦、五代伊藤赤水、三代德田八十吉、福島善三、三輪壽雪 6作家6点)
伊勢﨑淳「備前黒角皿」2005
東京国立近代美術館
五代 伊藤赤水「無名異練上鉢」1985
東京国立近代美術館
福島善三「中野月白瓷鉢」2017
茨城県陶芸美術館
【茶の湯のうつわ】
伝統陶芸には欠かせない日本の文化を映す茶の湯のうつわを紹介します。
(出品作家/加藤孝造、鈴木藏、德澤守俊、波多野善蔵、樂直入 5作家6点)
鈴木藏「志野茶碗」2019
樂直入「焼貫黒樂茶碗 銘 遠遊」2012
東京国立近代美術館
第III章「未来へつなぐ伝統工芸」
伝統的な技術・技法を駆使しつつ現代という時代を意識して作品をつくり上げている 陶芸家の作品を紹介します。 (出品作家/井戸川豊、十四代今泉今右衛門、鈴木徹、前田昭博ほか 57作家57点)
十四代 今泉今右衛門「色絵雪花薄墨墨はじき萩文鉢」2019
前田昭博「白瓷壺」2012
東京国立近代美術館
十三代 三輪休雪「エル キャピタン」2021
津金日人夢「青瓷平壺―水天彷彿―」2021
【素材と表現】
新たな素材と独自の技法により導き出された作品を紹介します。
(出品作家:石橋裕史、隠﨑隆一、神農巌 3作家3点)
隠﨑隆一「備前広口花器」2012
東京国立近代美術館
神農巌「青磁堆磁線文鉢」2011
【新たな技法とうつわのかたち】
現代という時代を作品に映し出し、これからの伝統陶芸の 可能性を予感させる作品を紹介します。
(出品作家/伊勢﨑晃一朗、渋谷英一、中田博士、新里明士、 見附正康、室伏英治、和田的 7作家7点)
新里明士「光器」2021
和田的「白器 ダイ/台」2017
茨城県陶芸美術館
開催情報
展覧会名 | 未来へつなぐ陶芸―伝統工芸のチカラ |
会期 | 2022年12月17日|土| – 2023年1月23日|月| |
会場 | MOA美術館 |
主催 | MOA美術館、公益社団法人日本工芸会、NHKエンタープライズ中部 |