信楽大壺

作品情報

データ

時代 南北朝時代(14世紀)
素材・技法
サイズ 高57.5㎝ 口径24.0㎝  胴径49.0㎝ 底径17.3㎝

解説

信楽焼は、滋賀県甲賀郡信楽町一帯の、平野から隔絶された狭い盆地の縁辺で焼かれていた。花崗岩を母岩とする付近の山から採掘した信楽の陶土は、石英や長石の粒子を含む耐火温度の高いもので、そのため完全には溶けず、器面に小石を噛(か)んだ状態で焼き上がったものが多い。古(こ)信楽(桃山時代以前の信楽焼)の壺で、いちばん多いのは、俗に種壺(たねつぼ)と呼ばれている、本図のような壺である。一般の大壺と比べると小型で、米や豆などの穀物の種を入れ、翌年まで貯えるのが主な用途であったのだろう。古信楽独特の製法である段継ぎによる製作で、土を積み上げた段積みごとの凹凸が器面に残る、てらいのない自然な姿の壺である。黄褐色の自然釉が、焚き口に面した、いわゆる壺の火表(ひおもて)にあたる部分にかかり、肩から裾へと流れ下っており、壺の景色を高めている。