重要美術品

蓬莱蒔絵瓶子

作品情報

データ

時代 桃山時代(16世紀)
素材・技法
サイズ 一対 各 高30.7㎝ 胴径26.6㎝ 底径14.0㎝

解説

二個の木製挽物(ひきもの)を接合して素地を作り、全体に黒漆を塗って、その上に金蒔絵で蓬莱図を表した瓶子である。頸部には菊花座をつけ、広く張り出した肩から下がしだいに細く締まり、裾に至って再び外に開いた器形で、安定感のある美しさを備えている。 古来、不老不死・長寿を意味する縁起ものとして鶴亀・松竹梅・尉姥などを配した図や飾りものが作られ「蓬莱」の語が被せられた。この蓬莱図は、それぞれ、胴に松と竹数本を配し、肩には松と竹の枝葉の間に番(つがい)の鶴を、裾には雌雄の亀を表すといった構成で、各図様は立体的に巧みに配置されている。また、一対がほぼ同じ図柄であるが、文様の角度に変化をもたせている。技法はすべて金の平(ひら)蒔絵であるが、松の幹には梨地を施し、竹の節に針描(はりがき)を用い、竹葉には二種の金粉を蒔き分けるなど、桃山時代の蒔絵の特色を示す蒔絵瓶子として価値が高い。京都神護寺の旧蔵と伝えられている。