重要美術品

地蔵菩薩立像

作品情報

データ

時代 鎌倉時代 仁治元年(1240年)頃
素材・技法 木造彩色截金 一躯
サイズ 総高112.0㎝ 像高77.8㎝

解説

地蔵菩薩は左手に宝珠を捧げ、右手に錫杖を執るのを通形としているが、この像は、右手先を多少変化させ異形の相を示している。衲衣(のうい)や袈裟には、丸文・唐草・雷文繋ぎなどの文様が見られ、朱・緑青などの彩色と繊細な截金(きりかね)の技法によって華やかに飾っている。相好には、きりりとした凜々しさの中に整った美しさが見られる。これは衣文の流麗な彫法と合わせて、快慶様(安阿弥様)を受け継いだものである。面相の明るさ、美しい衣の装飾を生み出した技術は台座にも示されており、蓮弁一枚一枚に截金によって花脈が描かれている。この像の胎内には願文が納入されているが、それによると、慶松願蓮房の遺志によって仁治元年12月16日に造立されたもので、翌仁治2年2月24日に彩色が終了し完成したことがわかる。鎌倉時代後期に入った十三世紀中葉において、当時の仏師がなお快慶の作った安阿弥様を造像様式の基本型の一つとして守っていたことを知ることができる貴重な作品である。