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二十六世観世宗家 観世清和師ご来演 熱海座 五月演能会

2021.05.22|土|

概要

Overview

「熱海座」は、世界的観光地・熱海市が推進する「国際観光温泉文化都市」づくりに寄与すべく、MOA美術館能楽堂から日本を代表する芸能や音楽等を広く発信するイベントです。今回は、二十六世観世宗家、観世清和師による能「葵上」を上演いたします。

日本の古典文学を代表する源氏物語。世界最古の小説とも言われ、一昨年、ニューヨークのメトロポリタン美術館で大規模な源氏物語展「the Tale of Genji : A Japanese Classic Illuminated」が開催される等、海外でも高く評価されています。主人公の光源氏は、亡き母に似た女性、藤壺の面影を生涯追い求め、多くの女性と恋愛を重ねますが、能「葵上」では、正妻の葵上に嫉妬する7歳年上の愛人、六条御息所の恋の妄執が描かれます。
光源氏の正室である葵上に取り憑いた物の怪の正体を暴く為、照日の巫女が呼ばれます。やがて姿を現した物の怪の正体は、六条御息所の生霊でした。御息所は激しい嫉妬の炎を燃やし葵上を打ち据えますが、比叡山から招かれた横川の小聖の祈祷により、心和らげ執心を晴らすのでした。
六条御息所は元皇太子妃で教養のある高貴な女性ですが、そのプライドの高さから光源氏の足も遠のきます。光源氏の姿を一目見ようと密かに訪れた賀茂祭でも、後から来た葵上一行に御息所の車は追いやられてしまいます。この車争いをきっかけに、募る恨みが生霊となり葵上を苦しめるようになったのです。演じるのは二十六世観世宗家、観世清和です。
千年の時を超えて読み継がれてきた源氏物語の世界を、名曲「葵上」でどうぞお楽しみください。

◆2021年 熱海座  5月演能会
開催日時:2021年5月22日(土)13時30分開演

能「葵上」梓之出 空之祈
シテ  観世 清和
ツレ  武田 宗典
ワキ  福王 和幸
ワキツレ  矢野 昌平
アイ  善竹大二郎
笛   松田 弘之
小鼓  観世新九郎
大鼓  安福 光雄
太鼓  梶谷 英樹

狂言 大蔵流「長光」
シテ  善竹  十郎
アド  善竹大二郎
アド  野島 伸仁

 

能「葵上」ひとくちコラム

その1「葵上って誰?」

葵上(あおいのうえ)は紫式部の物語『源氏物語』に登場する架空の人物です。光源氏の最初の正妻ですが、この葵上の名は後世の読者がつけた便宜上の名前で、彼女が主役級の扱いを受ける「葵」帖から取られています。

物語のあらすじは…
六條御息所は、光源氏の正妻、葵上一行から受けた侮辱(賀茂の祭の車争い)に耐え切れず、生霊となって葵上を苦しめます。病に伏した葵上は薬の効果もなく、ついに横川の小聖という修験者が呼ばれます。祈祷が始まると生霊は怒り、鬼の姿を現し激しく抵抗しますが、最後には小聖の法力によって心を和らげ成仏するのでした…

その2「見えないものを見る?」

能『葵上』(あおいのうえ)は、『源氏物語』の「葵」帖に取材した作品です。

主人公であるシテは六條御息所の生霊であり、タイトルの「葵上」は人物としては登場しません。生霊に祟られ寝込んでいる葵上を一枚の小袖を舞台に寝かすこと(出し小袖)で表現しています。

能は「見えないものを見る演劇」ともいわれます。

葵上を表現するこの小袖は裾を地謡の方に向けて置かれますので、葵の上の足元は地謡側(上手側)、頭は揚幕側(下手側)にして横たわっているということになります。。

シテの六條御息所は、葵の上の顔を睨みつけたり、打ちすえたりしますが、その視線の向きにも注目して鑑賞しましょう。

その3「今回の『葵上』」の特殊演出について」

今回上演する「葵上」のタイトルには「梓之出」、「空之祈」という小書き(特殊演出)が付記されています。

特殊演出①梓之出(あずさので)
葵上に憑いた怨霊の正体を占うために呼び出された巫女は、葵の上の前で呪文を唱えます。巫女は梓弓(あずさゆみ)を弾いて霊を呼び出すのですが、実際に弓は手に持っていません。そして、梓弓を弾く弦の音の代わりに、小鼓がその音を表します。弓が見えるでしょうか?
その梓弓の音に惹かれて、六条御息所の生霊が橋掛りから現れ、苦しい胸の想いを語ります。このシーンが梓之出です。

巫女の祈祷によって現れたこの六条御息所の生霊の姿は巫女にしか見えていないという設定です。また、生霊は『賀茂の車争い』で打ちのめされた破れ車に乗って現れているというお話ですが、この車も実際には舞台には出てきません。鑑賞する私たちが頭の中で思い浮かべて見なければならない「見えないもの」のひとつなのです。

特殊演出②空之祈(くうのいのり)
中入後、怨霊退治に駆け付けた修験者(横川の小聖)の祈祷が始まると、悪鬼となった六條御息所が再び現れます。悪鬼は打杖(うちづえ)を振りかざし攻めかけますが、小聖は数珠を揉んでこれに対抗します。今回の「空之祈」では、このバトルの最中に小聖が悪鬼の姿を見失い、葵の上に向かって一心不乱に数珠をもみ祈祷する場面が演じられます。これが今回の特殊演出「空之祈」の場面です。

その4「梓弓(あづさゆみ)」について

原因不明の病に倒れた葵上の病状を占うために呼ばれた巫女(照日の巫女)が使用した小さな弓のことです。梓弓は、古くは神事や出産などの際、魔除けに鳴らす弓として使用されました。神事などに使用される梓の木で作られますが、材質に関わらず梓弓と呼ぶこともあります。

現在でも遺品として残されている例があり、東京国立博物館には、重要文化財の「透漆梓弓(梓丸木製 奈良時代・8世紀)」が収蔵されています。

その5「打杖(うちづえ)」ってなに?

六條御息所の怨霊が横川の小聖との戦いで振りかざす棒状のものです。

この打杖は、能の場合、鬼、または龍神の持ち物に使用され、90㎝ほどの細い竹にぼうじ(細幅の布)を巻いたもので、上端はT字形になっています。常は紺地ですが、女性の怨霊の場合は赤地になるといいます。

杖という名前ですが、普通の杖のようについて使用するのではなく、振り上げて相手を打つために使用されます。

平安時代の高貴な女性の恋と妬み、嫉妬の執念を描く「葵上」。

その源氏物語の世界を、二十六世観世宗家・観世清和師シテによる「葵上」でぜひご堪能ください。

 

狂言「長光」ひとくちコラム

備前の名刀『長光』に目を付けたすっぱ(詐欺師)。なんとかこれを奪おうとあれこれ言葉巧みに試みるのですが、なかなかうまくゆきません。そこへ目代が仲裁に駆け付け、自分の持ち物ならばわかるはず、とその太刀についての説明を求めます。すっぱは、先に説明する男の説明を盗み聞きしてなんとかその場をしのごうとしますが…。

狂言方大蔵流の重鎮、善竹十郎師による「長光」です。

タイトルにもなっている「長光」とは、鎌倉時代後期の備前国(岡山県)長船派(おさふねは)の刀工で、長光が作った刀のことをいいます。

太刀の国宝第一号である「大般若長光」をはじめ、文化財指定を受けたものだけでも国宝6点、重要文化財28点、重要美術品36点が現存しています。

これほど多の勝れた作品を残している刀工はなく、長光の技量がいかに優れ、非凡な名工であったことがうかがえます。

さて、その名刀「長光」の行方は??

備前の名刀「長光」をめぐって繰り広げられる楽しい騒動をお楽しみください。

 

◎座席表はコチラ

 

 SS席 一 般  ¥8,000(友の会 ¥7,000)
   S席 一 般  ¥7,500(友の会 ¥6,500)
   A席 一 般  ¥5,000(友の会 ¥3,500)
   B席 一 般  ¥4,000(友の会 ¥2,500)

※演能会チケットにて、「粋と艶 ー江戸のトップスターたちー」の展示もご覧いただけます。

 

<UNDER 30> 30歳以下限定割引   初めてのNOH体験〜

 B席 一 般  ¥2,500(入館料込) 

 ※1グループ内にお一人30歳以下の方がいらっしゃれば、一律適用いたします 
 ※座席は、お客様でお選びすることはできません
 ※友の会割引との併用はできません

 

◎お申込 
メールにて予約いただき、当日お越しの際にチケット代をいただきます。
メールアドレス:event-info@moaart.or.jp 

 

※申込代表者氏名、人数、連絡先電話番号を記載してお申込みください。
折り返し「請け書」をメールいたします。(上記アドレスより返信しますので、着信拒否等は解除しておいてください) 

 

新型コロナウイルス感染症への対応について
・消毒用アルコールを設置していますので入退場の際にご利用ください。
・扉、座席等直接触れる機会の多い部分につきましては、定期的に除菌作業を行っています。
・スタッフはマスク着用での対応をさせていただきます。

お客様へのお願い
・マスクの着用、咳エチケットへのご協力をお願いいたします。
・咳、のどの痛み、発熱などの体調不良をお感じの場合、恐れ入りますが、ご来場をお控えくださいますようお願い申し上げます。

【問い合わせ】
MOA美術館 能楽堂係 0557-84-2500