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珠洲焼の窯跡は、能登半島の先端に分布する。珠洲焼は須恵器系中世陶器として特殊な地位を占め、無釉の灰黒色の素地が特色だが、還元焔燻焼法による結果である。砂まじりの荒い胎土で、底の粘土塊から立ち上げて鉢形の底部を作り、その上へ紐土巻きあげで胴部を積み上げている。卵形の器形は珠洲焼によく見られ、表面を叩き締め、交互に左右片下りの叩き目が一列置きに並んでいる。綾杉状の装飾的効果を意図したらしく、この手法は珠洲焼前半期に見受ける。外反りの口頸部に向かって締め、姿を優美にしている。