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穴窯での天井の降り砂が荒々しく降りかかっている。初窯で焼かれたものであろう。きめ細かい茶褐色の素地に、厚く降りかかった灰は、火度が上がるとともに自然釉と化し、更に、激しい火勢によってくずれおちた壁砂をも器肌に融着させている。極く小さい底から、ヨリコ作りと呼ばれる太い粘土紐を接ぎ足しながら、壷の廻りをまわり、5~7段の輪積状に成形した素朴な作りだが、優美な口作り、豊かな壷のふくらみを持つ、平安期ならではの姿で、自然釉が火の強さを思わせると共に豪快な風情を加えている。