壺「康永三年甲甲六月上旬」銘丹波
データ
時代 | 南北朝時代14世紀(1344年) |
---|---|
サイズ | 口径13.8 胴径39.3 底径23.9 高43.9 |
解説
肩に「康永三年甲甲六月上旬」と刻銘がある。この種の壺は康永三年(1344)在銘のものは幾つか知られており、他に同年七月、九月などとある。康永は南北朝時代初期の北朝の年号で、これらの壺が足利氏の勢力範囲に属して制作されたことを知る。山土を用いた紐作りで、手轆轤による成型の上、釉をかけずに焼き締めたもので、酸化焔焼成のため、胎土中の鉄分が出て、茶褐色を呈している。平底で、叩き作りなどしない、素直な姿に、自然釉が肩の上部にかかっている。