重要文化財

柿本人麿・紀貫之図

岩佐又兵衛勝以

作品情報

データ

作者 岩佐又兵衛勝以
時代 江戸時代(17世紀)
素材・技法 紙本墨画 双幅
サイズ 人麿図 93.3×35.4㎝  貫之図 93.8×35.5㎝

解説

岩佐又兵衛勝以(1578~1650)は、川越仙波東照宮所蔵の「三十六歌仙絵扁額」に見られるように歌人の絵を数多く描いているが、この二幅は、なかでも異彩を放つ作品である。この作品は漢画における水墨画の技法を巧みに使いこなし、人麿像は減筆体風の手法で、また貫之像は没骨(もっこつ)風の筆づかいで表されている。人麿は裸足で歩む好々爺に、また貫之は優しい表情の親しみのある人物像に描くなど、全体に見られる即興的な要素とともに、彼以前の歌仙絵には見受けられない独創的で自由な解釈が示されている。上部に書かれた賛や下部の落款は、ともに絵と同じ筆で書かれており、勝以の筆跡の基準となるものである。
(賛詞)
ほのぼのと
明石の浦の
朝霧に島隠れ
行く
舟をしぞおもう
柿本人麿(右)

紀貫之
桜ちる木の下風は
さむからで
空にしられぬ
雪ぞ降ける(左)