玉子手茶碗 銘 玉椿

作品情報

データ

時代 朝鮮時代(16~17世紀)
素材・技法
サイズ 一口 高7.7㎝ 口径14.2㎝ 高台径6.3㎝

解説

玉子手茶碗は、高麗茶碗の一種で、その作振りや釉肌があたかも玉子のようなまろやかな趣きであるところからの呼称と思われる。高麗茶碗の中では素直でしかも瀟洒な作振りのもので、類例は少ない。わが国の慶長(1596~1615)から元和・寛永(1615~44)にあたる頃に朝鮮で作られたものとされている。この茶碗は、玉子手茶碗の名碗として声価が高いものである。作振りはすんなりとしており、底部はやや厚いが、全体は薄手に成形されている。端反(はぞ)りの口部は楕円に歪み、見込みに浅く大振りの鏡をつけている。低く竹の節状に削り出した高台は、内部を丸く浅く削り込み、高台際に箆目(へらめ)をつけており、浅い灰褐色の土肌を見せる高台内は削り跡が縮緬皺(ちりめんじわ)になっている。高台際までかかった青みを帯びた灰白色の釉はよく溶け、釉肌は柔らかで細かい貫入(かんにゅう)が生じている。また釉肌には気泡穴が残り、その回りは薄赤く窯変している。『大正名器鑑』収載。