青磁大壺

データ

作者 郊壇官窯
時代 中国・南宋時代(12~13世紀)
素材・技法
サイズ 一口 高36.5㎝ 口径18.9㎝  胴径28.2㎝ 底径20.0㎝ 

解説

中国で宮廷御用品を焼いた直営の窯を官窯と呼び、北宋時代には汝(じょ)官窯・北宋官窯があった。靖康2年(1127)、金の侵入を受けて南にのがれ、紹興八年(1138)に都を臨安(杭州)に遷して以降、すなわち南宋時代には、まず修内司(しゅうないじ)官窯、次いで郊壇窯(新官窯とも称される)が設けられた。新官窯は杭州市の南郊の烏亀山麓に設けられ、修内司官窯に劣らぬ優れた青磁を焼いた。付近に郊壇(皇帝が天を祭る壇)があったところから、郊壇下官窯あるいは郊壇官窯と称された。また素地が陶質であるため、釉の全面にわたって不規則な貫入(かんにゅう)が縦横に走り、その中にさらに細かい貫入が見られる、いわゆる二重貫入となり、それらが釉面に変化を与え、釉の色合いをいっそう引き立てている。本図の壺は郊壇窯としては稀に見る大作で、きわめて高い高台をもち、豊かな張りのある姿で格調が高い。碧玉を見るような釉色をし、手にとると意外なほど軽い。郊壇官窯の優れた作行きが凝縮しているのを見る思いがする。

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