展覧会
開催中
北斎 The Great Wave×Digital 2.0
2025.04.25(金) - 2025.06.10(火)

概要
葛飾北斎(1760-1849)の代表作として知られる「冨嶽三十六景」を、デジタル技術を活用して展観します。
「冨嶽三十六景」は、富士の威容を示すほか、富士周辺のさまざまな場所で、生き生きと働く庶民の姿を描いた風景版画シリーズの金字塔です。
その独創的な構図は、クロード・モネやポール・セザンヌの作品にインスピレーションをもたらすなど、世界的な影響の大きさが知られています。
特に「神奈川沖波裏」は「The Great Wave」として欧米で知られ、フランスの作曲家クロード・ドビュッシーが作曲した管弦楽曲『海』初版の表紙デザインには、波の部分が用いられています。
本展では、「神奈川沖浪裏」や「赤富士」として知られる「凱風快晴」を高精細デジタル画像として撮影し、大画面で投影します。その他、作品が描かれた地点の現在の風景を撮影・比較展示し、新たな魅力を発信します。
刊行から190年を経過してもなお色褪せない「冨嶽三十六景」の魅力を新感覚でお楽しみください。
「冨嶽三十六景」は、富士の威容を示すほか、富士周辺のさまざまな場所で、生き生きと働く庶民の姿を描いた風景版画シリーズの金字塔です。
その独創的な構図は、クロード・モネやポール・セザンヌの作品にインスピレーションをもたらすなど、世界的な影響の大きさが知られています。
特に「神奈川沖波裏」は「The Great Wave」として欧米で知られ、フランスの作曲家クロード・ドビュッシーが作曲した管弦楽曲『海』初版の表紙デザインには、波の部分が用いられています。
本展では、「神奈川沖浪裏」や「赤富士」として知られる「凱風快晴」を高精細デジタル画像として撮影し、大画面で投影します。その他、作品が描かれた地点の現在の風景を撮影・比較展示し、新たな魅力を発信します。
刊行から190年を経過してもなお色褪せない「冨嶽三十六景」の魅力を新感覚でお楽しみください。
みどころ
①全46図一挙展観!
「冨嶽三十六景」は、当初刊行された三十六図が好評を博したことから、10図を追加して全46図が制作されました。本展では、全46図を一挙展観します。
②「冨嶽三十六景」を高精細映像で投影
1億5千万画素の高精細画像として撮影したデジタル素材を活用し、「冨嶽三十六景」を大画面で投影します。肉眼では不可能な拡大により、紙の質感や摺りの技までご覧いただけます。
③「冨嶽三十六景」の現在の風景写真を比較展示
江戸時代当時に作品が描かれた場所を独自に取材し、映像や画像で比較展示します。

江戸日本橋

現在の日本橋
主な展示作品
神奈川沖浪裏
かぎ爪のような波頭を見せる大波が3艘の押送船に崩れ落ちようとするなか、富士が静かな姿をみせる。櫓を引き上げてバランスをとる漕ぎ手達の動きが緊張感を生んでいる。自然の力と人間の姿を思い切った構図で表現している。
山下白雨
雲を突き抜けて富士がそびえ立ち、山裾には稲妻が光っている。天上の快晴と、雲下の薄暗い夕立(白雨)という、相反する気候を一図に込めた作品である。雷鳴のとどろく中に屹立する富士の姿からは、高さと迫力が感じられる。
凱風快晴
本図は、三十六景中の最高傑作として名高く、俗に「赤富士」と呼ばれている。南風を受ける晴やかな早朝の富士である。藍・緑・褐色のシンプルな色彩で、富士の限りない偉容と迫力を遺憾なく表現している。

甲州石班澤

駿州江尻

尾州不二見原

江都駿河町三井見世略図
冨嶽三十六景について
葛飾北斎の「冨嶽三十六景」は、江戸後期の旅や行楽への関心の高まりや、当時の富士信仰の盛行を背景に、天保2年(1831)頃より西村永寿堂から刊行されたシリーズものです。これらは、まとめて一時に刊行されたのではなく、数年にわたり断続的に制作されと考えられ、最初に出版された36図に、好評につき追加出版された10図を加えた全46図からなります。 三角形や円などの幾何学形を用いた斬新な構図や遠近法によって、富士を、場所、時間、季節を変化させて描き分けています。また、西洋から輸入された「ベロ藍」と呼ばれる化学顔料の鮮やかな発色を効果的にいかしています。 北斎はそれまでにも東海道絵や名所絵など、風景を扱った作品を幾つも手がけていましたが、「冨嶽三十六景」は、風景そのものを主人公とし、浮世絵風景版画というジャンルを確立させた記念碑的な作品です。
葛飾北斎
美術館宝暦10年(1760)〜嘉永2年(1849)北斎は、宝暦10年(1760)、江戸本所割下水に生まれました。若くして木版彫刻の職を得た後、絵師を志し、安永7年(1778)に勝川春章(1726〜1792)に入門しました。春章の没後は勝川派を離れ、狩野派、土佐派、琳派、洋風画など諸派の画法を学び続けました。北斎、戴斗、為一、卍など、生涯に三十数回の改名を繰り返しつつ、その度に画風を変化させています。90年の生涯で、読本挿絵、肉筆画、『北斎漫画』に代表される絵手本、「冨嶽三十六景」をはじめとする風景版画等数多くの作品を制作しました。