北斎漫画 & The Great Wave
概要
葛飾北斎の代表作として知られる「北斎漫画」と「冨嶽三十六景」を、高精細画像を活用して一堂に展観いたします。
「北斎漫画」は全15編からなる北斎の代表的な絵手本で、人物や動物、風景、想像上の存在まで、絵の総数は三千数百図に及びます。コマ割りや連続した動きの表現など、今のアニメやマンガにつながるような発想も随所に見られ、当時のヨーロッパにも大きな影響を与えました。
「冨嶽三十六景」は、富士山の壮大な姿とともに、その周辺で暮らし、働く人々の姿を描いた風景版画シリーズの金字塔です。なかでも《神奈川沖波裏》は “The Great Wave” として世界的に知られ、北斎の名前を広く知らしめました。
本展では、「北斎漫画」全15編と「冨嶽三十六景」全46図を一堂に展観し高精細デジタル画像を活用して大画面に投影、紙の質感や摺りの技までご覧いただきます。時代を超えてなお人を惹きつける北斎の発想と表現をお楽しみください。
みどころ

北斎漫画 十三編 嘉永2年(1849)(部分)
文化11年(1814)~明治11年(1878)
文化11 年(1814)に出版が始まった「北斎漫画」は、絵手本といわれる北斎の門人のため図案集として刊行されました。一冊完結のつもりでしたが、予想以上の売れ行きで北斎の没後も刊行が続き、15 編で完結しました。絵の総数は約三千数百図におよび、その内容は人物、建物、山川草木、鳥獣など多岐にわたります。コマ割りや連続した動きなど現在のアニメ・マンガのルーツともいえる表現は、刊行当初から高い評判を得ました。
コミカルな人体描写

北斎漫画 三編 文化12年(1815)
人物の仕草で表現する

北斎漫画 十二編 天保5年(1834)

冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏
天保2年(1831)~天保3年(1832)
江戸後期の旅や行楽への関心の高まりや、当時の富士信仰の盛行を背景に、天保2年(1831)頃より西村永寿堂から刊行された全46図からなるシリーズ作品です。特に「神奈川沖波裏」は「The Great Wave」として欧米で知られ、フランスの作曲家クロード・ドビュッシーが作曲した管弦楽曲『海』初版の表紙デザインには、波の部分
が用いられています。三角形や円などの幾何学形を用いた斬新な構図や遠近法によって、富士を、場所、時間、季節を変化させて描き分けています。風景そのものを主人公とし、浮世絵風景版画というジャンルを確立させた記念碑的な作品です。
「赤冨士」

冨嶽三十六景 凱風快晴
「桶屋の富士」

尾州不二見原
葛飾北斎
宝暦10年(1760)〜嘉永2年(1849)