伊豆の仏像 パート1
概要
伊豆地域には、平安・鎌倉の仏教彫刻の名作が数多く伝えられています。平安時代初めの伊豆は、河津町・南禅寺をはじめとする寺社の建立や、仏像、神像の造立がさかんに行われました。
近年では、伊豆地域に点在する仏像の調査が進むとともに、その諸相が明らかにされつつあります。なかでも河津町の南禅寺伝来諸像は、南禅寺堂(なぜんじどう)に伝来した26躯からなる木彫群で、10~11世紀に制作された仏像を中心に仏、菩薩、護法神など当時安置される主要な尊格が揃っています。2024年には国の重要文化財に指定され、全国的にも高く評価されはじめています。
本展では、近年注目の高まりつつある伊豆の仏像に焦点を当てる展覧会の第一弾として、河津町・南禅寺の諸像をご紹介いたします。
みどころ
令和6年(2024)に重要文化財に指定された、伊豆最古の仏像群
静岡県賀茂郡河津町にある南禅寺は、河津町の山あいに位置し、平安時代前期の薬師如来坐像を本尊とする寺院です。令和6 年(2024)に重要文化財に指定された「南禅寺伝来諸像」は、この寺院に守り伝えられてきた本尊を含む26 体の仏像群です。本尊をはじめ、主要な尊格がそろっており、その多くが平安時代の作とみられることから、平安時代の地方における造像のさまを示す貴重な遺品といえます。本展では、南禅寺に伝わる諸像から、本尊の「薬師如来坐像」を含む9 体を展観し、その魅力をご紹介いたします。

重要文化財 薬師如来坐像
平安時代 河津平安の仏像展示館
重要文化財 薬師如来坐像
平安時代 河津平安の仏像展示館
南禅寺の本尊。一木造で、堂々とした体躯と深く刻まれた翻波式衣文をもち、平安時代前期彫刻の特徴を示しています。造像された年代について、現在では9世紀とする見方が有力で、関東・中部地域でも珍しい9世紀の木造仏像といえます。