生誕150年 吉田博展
概要
世界を描いた吉田博の水彩・油彩・木版画の名品を展観
明治・大正・昭和にかけて活躍した風景画家の第一人者、吉田博の生誕150周年記念展を開催いたします。
吉田博(1876-1950)は福岡県久留米市に生まれ、洋画家・小山正太郎が主宰する画塾・不同舎に入門して本格的な画業を開始しました。明治 32 年(1899)、23 歳の時に渡米、展示即売会の大成功によって資金を得て、ヨーロッパもめぐります。以降、合計7年におよぶ外遊によって古今の西洋美術に触れると共に大いに画技を磨き、洋画団体・太平洋画会の中心人物として活躍しました。
博は「自然の力ほど巨きなものはない」と自然への畏敬の念を抱いており、自然の美を描き出すことを画家の使命としていました。博の作品の多くは自ら実際に体感した国内外の風景を題材にしています。本展は、近年発見された水彩画の大作「街道と馬」をはじめとする水彩画、雄大な山岳風景を描いた油彩画、後半生に傾倒した私家版木版画と、多彩な技法による名品を一堂に展観し、博の卓越した自然観とその芸術世界をご紹介いたします。