ポケモン×工芸展 ―美とわざの大発見— 特設ページ
作品解説
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夏から開催の「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」にあわせ、本日から定期的に展示作品の魅力を発信していきます!
池田晃将さんは伝統的な螺鈿の技法を踏襲しつつ、特注のレーザー加工機で微細に切り出した貝殻の薄辺を一枚、一枚貼り付けて、近未来感のある幾何学的な模様を施します。
「未知文黒御影茶器」は、古代の文字に似たポケモン「アンノーン」をモチーフにした作品です。まるで古代の遺跡から出土したような器には、極小に切り抜かれたアンノーンがところせましと螺鈿の技法で施されています。
作品に施されているアンノーンの色に着目すると…?こだわりの表現は実際の作品でお確かめください!" />
池田晃将
《未知文黒御影茶器》
2022年 個人蔵
ガラス作家の池本一三さんは、ガラス質の顔料をノズルによって吹き付ける「エナメル描法」による表現を長年にわたり追求しています。
《冒険のはじまり》は、その体験を表現した三部作の一つ。8色の顔料を吹き付けたという器には、色とりどりの旅の思い出が360度にわたり展開。作家の技術が光ります。
池本さんは本展のために『ポケットモンスター ソード・シールド』をプレイ。はじめてゲームを体験し、半年かけて殿堂入りを果たしました。よくみると、作品の舞台であるガラル地方に登場するポケモン「ホシガリス」など、旅をしたからこそ出会えたポケモンたちも見え隠れ。トレーナーの皆様は、自分の旅を思い出しながらご鑑賞いただくとより楽しめる作品です。" />
池本一三
《冒険のはじまり》
2022年 個人蔵
今井完眞
《フシギバナ》
2022年 個人蔵
植葉香澄さんは京都・友禅染の絵師を祖父にもち、伝統的な文様・意匠をベースにした上絵付けと、オリジナルの生きものの造形を組み合わせた陶芸作品を手掛けています。
《水文メッソン》は、『ポケットモンスター ソード・シールド』で最初に相棒になる3匹の中から選ぶことができるポケモンのメッソンを表現した作品です。おなかから口元にかけて扇形を繰り返す文様は「青海波」という伝統的な意匠。このほかにも、「みずタイプ」のメッソンを連想させるような文様を全身にまとっているので、実際に展示室でお楽しみください。
工芸作品は実際につかうことで身の回りの暮らしを豊かにすることも特長の一つ。植葉さんが今回制作した作品たちも、どこかに「使う」要素を合わせ持っています。《水文メッソン》では…?" />
植葉香澄
《水文メッソン》
2022年 個人蔵
桂盛仁さんは、江戸時代からつづく装剣金工「柳川派」の伝統を受け継ぎ、打ち出し、象嵌など様々な彫金技法を駆使して制作。2008年には重要無形文化財「彫金」保持者(人間国宝)に認定されました。
画像は、それぞれ「げっこうポケモン」のブラッキーをいかく、ねむり、立ち姿の姿で表した作品。 一枚の金属板を鏨(たがね)で打ち、高いところから低いところへと造形しています。作品の高さ(厚み)はおよそ1.5cm。人間国宝・桂さんならではの繊細なわざによって、ふっくらと丸みのある姿でブラッキーが表現されています。
ブラッキーは月の波動を浴びると不思議な力に目覚めるといわれるポケモン。《ブローチ ブラッキー「眠り」》では月光の表現にも挑戦したといい、3つの作品の中で少しだけ異なる部分があります。このほかにも、金属の配合や、金の輪模様の表現などなど、語りつくせないこだわりの表現が盛りだくさん。ぜひ展示室でご覧ください!" />
桂盛仁
《帯留 ブラッキー「威嚇」》
《ブローチ ブラッキー「眠り」》
《帯留 ブラッキー「立ち姿」》
2022年 個人蔵
城間栄市
《琉球紅型着物「島ツナギ」》
2022年 個人蔵
小宮康義さんは代々続く江戸小紋染めの職人の家に生まれ、江戸以来の遊び心あふれる文様に絵解きの要素や現代感覚を盛り込んだ表現を展開しています。江戸小紋は、日本の伝統的な型染め技法のひとつ。3cm四方に900個以上の点を表現することもあるという細かな仕事によって、遠くからは色無地に見え、近づくと充実の模様世界が広がります。
《江戸小紋 着尺「ゲンガー/ゴースト」》は、江戸小紋の特長をふまえた小宮さんが、ゴーストタイプのポケモンをモチーフに選択した作品。紫一色に染められた作品を近づいてよくみると、水蒸気が涌き立つ文様(立涌文様)に扮した「ガスじょうポケモン」のゴーストが生地いっぱいに飛び交っています。
さらに、作品の中には隠れ上手なゲンガーも登場しています。ポケモンずかんを調べるとヒントがみつかるかも…?ぜひ展示室で探してみてください!" />
小宮康義
《江戸小紋 着尺「ゲンガー・ゴースト」》
2022年 個人蔵
須藤玲子さんは1984年にテキスタイルメーカー株式会社布(NUNO)の設立に参画。日本の伝統的な染織技術から現代の先端技術までを駆使して新しいテキスタイルづくりを行っています。《ピカチュウの森》は約900本のレースで構成された作品です。さまざまな表情のピカチュウと植物が配されたレースは、水溶性の布シートに機械でミシンのように2本糸でステッチしたあと、布シートを溶かしてステッチ糸だけをのこす技法(ニードルレース)によって表現。1本1本が立体感があり、光に透かすと繊細に表情を変えます。
アニメ「ポケットモンスター」のエピソード「ピカチュウのもり」にインスピレーションを得たという本作。1本だけデザイン違いのレースリボンがあり、そこには1匹だけ色違いのピカチュウが隠れているので、探しにきてください。
来館前にアニメをご鑑賞いただくと、よりお楽しみいただけるかもしれません!" />
須藤玲子
《ピカチュウの森》
2022年 個人蔵
田口義明
《蒔絵棗「春を呼ぶ」》
2022年 個人蔵
田中信行
《無題》
2022年 個人蔵
桑田卓郎さんは現在、日本有数の窯業地として知られる岐阜県を拠点に活動。釉薬のちぢれを景色(見どころ)とする梅花皮(かいらぎ)など陶芸のわざと美意識に根差しながら、現代の感性を取り入れたカラフルでポップな作品を手がけています。
《カップ(ピカチュウ)》は、「現代の最高峰ともいえる岐阜の量産技術を追求しながら制作するカップ」に、時代のアイコンでもあるピカチュウを最新技術の転写シートで配する、桑田さんのリスペクトが込められた作品です。
みどころの一つが、陶芸作品であることを疑うほどに洗練された薄いボディ。岐阜が誇る量産技術を活かした「動力成形」で実現したかたちは、手取りや口へのあたりの良さも考えながら、高さと径のバランスや厚みが絶妙なバランスで調整されています。
会場では大中小の様々な表情をもつカップをずらっと展観。ポッテリとした釉薬がそれぞれのカップで織りなす景色もお楽しみください!" />
桑田卓郎
《カップ(ピカチュウ)》
2022年 個人蔵
新實広記さんは、ガラスという素材がもつ特性に寄り添い、その魅力を空間全体で表現するインスタレーション作品を主に手掛けています。
《Vessel -TSURARA-》は、ガラスという素材の底知れぬ魅力と、ポケモンバトルの現場に立ち会うスリルという「2つのリアリティ」をキーワードにした作品。空間には、ポケモンのわざ「つららおとし」をイメージしたという、計8つのガラス作品が配されています。
それぞれのガラスは、型にガラスを流し込んだ後、外の光を取り込む表情を確かめながら、一つひとつ丁寧に磨きぬいて仕上げたもの。内部もしっかりとガラスで満たされていて、見た目からは想像できないほどに重量があります。
「つららおとし」は大きな氷柱をはげしくぶつけて「相手をひるませることがある」わざ。私たちがもし、つららおとしを繰り出す現場に立ち会ったら、どんな感覚をうけるのでしょうか…ゲームをプレイされたことのある皆様は、そんな場面を思いうかべながらご鑑賞いただくと、より楽しめるかもしれません。" />
新實広記
《Vessel -TSURARA-》
2022年 個人蔵
坪島悠貴
《可変金物 ココガラ/アーマーガア》
2022年 個人蔵
桝本佳子
《リザードン/信楽壷》
2022年 個人蔵
吉田泰一郎さんは伝統的な「彫金」の技法を駆使し、抜き鏨によって打ち抜かれた金属のパーツを組み合わせた立体作品を制作しています。
《ブースター》はイーブイの進化形のひとつ「ほのおポケモン」のブースターをモチーフにした作品。金属を打ち抜く鏨は、この展覧会のために鏨を新たに吉田さんが制作したスペシャル版で、切り抜きながら文様を表すことができるものです。
イーブイは様々な可能性を秘めているポケモンで、特定の条件により様々な姿に進化します。本作では、「ほのおタイプ」のブースターに合わせた火焔型のパーツを成型、「緋銅」という伝統的な金属の著色技法によって制作されたパーツを一つ一つはめ込むことで形づくられています。
展示室では、イーブイ、ブースター、シャワーズ、サンダースの4匹を一堂に展観いたします。" />
吉田泰一郎
《ブースター》
2022年 個人蔵
満田晴穂さんは様々な生き物の姿を金属で写実的に再現し、まるで生きているかのように動かすことができる「自在置物」を、現代に継承する数少ない作家です。
江戸時代から続く技術を活かしながら、モチーフとなる生きものが「どんな形をしているのか」について調査と観察で徹底的に追求し、金属で精密に再現します。
本展では、満田さんは約1年半かけて『ポケットモンスター』シリーズを4本プレイし、アニメ「ポケットモンスター」も4シーズン分ほど視聴して徹底的にポケモンのことを調査。作家の中にポケモンが「存在する」まで突き詰めたうえで制作に取り組んだといいます
《自在置物 ギャラドス》はコイキングの進化形であるギャラドスをモチーフにした作品。自在置物の伝統的な構造も取り入れながら、髭のかたちに至るまでギャラドスならではの魅力を表現しました。" />
満田晴穂
《自在ギャラドス》
2022年 個人蔵
福田亨さんはボディとなる木を彫って、そこに別の木をぴたりと嵌めて立体とする「立体木象嵌」を手掛け、生き物をモチーフにその生態や情景を表現しています。
《雨あがり》は、土から吸水をしている様子のアゲハントを想像した作品。地面に転がる小石から葉のうえのしずく、アゲハントの躍動感あふれる羽に至るまで、すべてが木で構成されています。
アゲハントの色彩表現にご注目!一切著色を施さず、木材の色味のみで印象的な色が表現されています。
また、本作でみられるアゲハントには、『ポケットモンスター』シリーズに登場する姿と見比べてみると、福田さんの想像力が発揮されている部分が多くみられます。!" />
福田亨
《雨あがり》
2022年 個人蔵
林茂樹
《月光 Pokémon Edition》
2022年 個人蔵
水橋さおり
《友禅訪問着「群」》
2022年 個人蔵
葉山有樹
《森羅万象ポケモン壷》
2022年 個人蔵
イベント
◆グリーティングイベント
着物のピカチュウがやってくる! MOA美術館能楽堂に伝統柄「工字繋ぎ」の着物を着たピカチュウがやってきます。
一緒に写真をとれますのでぜひ遊びにきてください!
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〈開催日〉
7月6日(土)、7月14日(日)、8月11日(日)、8月25日(日)、9月8日(日)〈開催時間〉
9月8日(日)は10時30分~を追加開催/11時30分~/13時00分~/14時30分~〈参加費〉
無料(入場料別途)〈参加人数〉
各回50組予定〈参加方法〉
整理券を各回1時間前に配布※当日の混雑状況により、整理券配布時間・登場時間が変更となる場合がございます。
◆ハッシュタグキャンペーン
抽選で50名様に、日本の伝統柄「工字繋ぎ」の着物を着せてもらったピカチュウ「ぬいぐるみ ポケモン×工芸展のピカチュウ」とMOA美術館の入館券をプレゼント!
皆様のご応募お待ちしております。
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応募締切: 8 月20 日(火)
◆スタンプラリー
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全部集めたらうちわとして使えます
対象年齢:小学生以下
◆トークイベント
特別対談 城間栄市×葉山有樹
出品作品の制作にまつわるエピソードや、ポケモンの世界とどのように向き合ったのかなどをお伺いしながら、ポケモンと工芸、ふたつの世界が交わる本展の魅力に迫ります。
日時:2024年8月3日 13:00~14:00(12:30開場)
参加費:無料(入場料別途)
詳細:
トークイベント詳細
グッズ
MOA美術館内 the shop ポケモン×工芸展グッズコーナーにて販売中。
一部商品をご紹介致します。
※数量には限りがございます。
※電話販売/オンライン注文はございません。
the shop 店内
ぬいぐるみ
ポケモン×工芸展のピカチュウ
2,640円(税込)
ミント缶
¥880(税込)
シンボルマーク マグ
¥1,870(税込)
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〔撮影〕斎城卓 ※ピカチュウの森のみ〔撮影〕林雅之