重要文化財

仁王経法図像

データ

時代 平安~鎌倉時代(12~13世紀)
素材・技法 紙本墨画着彩 一巻
サイズ 27.0×全長 1226.9㎝

解説

『仁王経』は、真言密教において国家鎮護、天下泰平のために修する修法の根本経典である。この一巻は、平安末期から鎌倉初期に活躍した真言宗の著名な図像学者覚禅が編集した図像集『覚禅抄』の中の一巻で、十三世紀初頭に完成したものと考えられる。奥書には「寿永二年」(1183)の年紀がある。描線にスケッチ風の柔らかさが見られ、各像に淡彩が施されている。簡略な描写の中にも、鎌倉期の図像に見られる強く生き生きとした線があり、美しい彩色とともに特徴的な表現となっている。また諸尊像のほかに、修法の記録、諸尊像堂荘厳(しょうごん)についての解説、壇の見取図なども付されている。

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