重要文化財
四季山水図屏風
データ
作者 | 海北友松 |
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時代 | 桃山時代(17世紀初期) |
素材・技法 | 紙本墨画淡彩 八曲一双 |
サイズ | 各 112.0×367.8㎝ |
解説
海北友松(1533~1615)は、近江国坂田郡の人。父は浅井長政の家臣で織田信長の小谷城攻略の際討死したが、友松は幼少より京都東福寺に住し事なきを得たと伝えられる。初め狩野元信(かのうもとのぶ)の門に学び、梁楷(りょうかい)の減筆体に傾倒し、独自の画風を創って桃山時代、狩野永徳(えいとく)、長谷川等伯(とうはく)、雲谷等顔(うんこくとうがん)などと並んで活躍した。八曲屏風一双という横長な大画面にさまざまな景物を配し、それらの間を広々とした水景で結び、左右両端で構図の重心を図っている。友松様水墨山水の様相を知ることのできる作品である。はっきりとした四季の変化は区別できないが、異なる季節描写が並置されている。各隻に、友松の款記があり、「海北」の白文長方印と「友松」の朱文方印が捺されている。友松最晩年に見られる、明暗の対比を鮮やかに伝える、墨色を主要素とした作品である。