重要文化財

山中常盤物語絵巻

データ

作者 伝 岩佐又兵衛勝以
時代 江戸時代(17世紀)
素材・技法 紙本著色 十二巻
サイズ 34.1×全長 15031.0㎝

解説

『山中常盤物語』は、義経説話に基づく御伽草子(おとぎぞうし)系の物語で、奥州へ下った牛若を訪ねて、都を旅立った母の常盤御前が、山中の宿で盗賊に殺され、牛若がその仇を討つという筋書きである。慶長・元和(1596~1624)・寛永(1624~44)にかけて、山中常盤は操(あやつり)浄瑠璃の一つの演目として盛んに上演されたが、この巻物はそれを絵巻物化したもので、詞書も浄瑠璃の正本(テキスト)をそのまま使っている。本図の「山中常盤物語絵巻」は、又兵衛が描いたといわれる絵巻群の中で最も生気あふれる力強い作風のものである。全巻極彩色の十二巻揃いの大作で、金銀泥(きんぎんでい)の霞引きによって時間と場所の推移が示されている。元和末年から寛永初年の頃、これを越前藩主松平家のために描いたものと思われる。この絵巻は、松平家がその後転封された岡山津山藩に伝来した。

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