化粧美人図

データ

作者 西川祐信
時代 江戸時代(18世紀)
素材・技法 絹本著色 一幅
サイズ 89.4×44.8㎝

解説

西川祐信(1671~1750)は上方における浮世絵の第一人者で、狩野(かのう)派・土佐派の手法を学び、菱川(ひしかわ)派や鳥居派などの画風を取り入れ、自己の画風を作り上げた。祐信の作品はほとんど絵本類にあり、その生涯に二百余種の版本の下絵を描いている。その一方で、肉筆画にも多数の秀作を残しており、なかでも柔らかみのある筆致に豊かな感情を込めた美人画は、彼の本領を発揮したものであった。ことに祐信の描く丸顔の京美人はすこぶる優美で清楚な美しさをもっており、石川豊信や鈴木春信などの江戸の浮世絵師に強い影響を与えた。本図は、片肌を脱ぎ、鏡に向かって化粧をしている女性の美しい一情景を主題としているが、日常身辺の小道具を描き添え、美人図の中に生活の味わいを感じさせるところに祐信の特色がある。

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