青磁百足硯
データ
作者 | 越州窯 |
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時代 | 中国・隋~唐時代(7世紀) |
素材・技法 | |
サイズ | 高8.1㎝口径24.8㎝ 底径29.9㎝ |
解説
陶磁製の円面硯であり、墨を磨(す)る陸を中央に広くとり、周辺をくぼめて墨液が入る海とし、たくさんの百足(むかで)風の足でこれを支えている。こうした形式の陶磁製の硯は、中国では六朝から隋・唐時代に好んで用いられたとされる。この硯の足は古式に属するもので、紐状の土を上下に渡して押しつけ、中ほどの細くした部分に三本の線を施して表されている。従来知られている陶磁製の硯の中では、この硯は古い形式に属するものであり、最も大型の作品として注目されている。側面に淡い朽葉(くちば)色の青磁釉がかけられているが、陸の部分と裏側は露*ろ*胎*たい*になっている。たくさんの小さいつくで支えて重ね焼きをしたらしく、陸にも底裏の露胎の部分にも目跡(めあと)が円形に並んでいる。広い意味でいう越州窯の製品で、世界でも他に類を見ない、作行きの優れたものである。