色絵花鳥文蓋物 伊万里 柿右衛門様式

データ

時代 江戸時代(17世紀)
素材・技法
サイズ 一合 総高36.7㎝ 口径30.2㎝  蓋径31.6㎝ 高台径16.7㎝

解説

この蓋物は初期柿右衛門様式の作品で、大深鉢に獅子の鈕(ちゅう)のついた共蓋がついている。蓋・身ともに、一方に菊文様、他方に牡丹文を配している。二羽の鳥が宿る太湖石を中心にそれぞれが枝を左右に伸ばした構成は、中国の明時代末などに絵画や陶磁器に流行した絵文様を和様化したもので、寛文から元禄(1661~1704)頃にかけての柿右衛門様式の典型的な意匠である。広い底部からゆったりと立ち上がる胴はどっしりと重々しく、また、丸く張った甲盛りをもつ蓋はきわめて薄い作りで、ともに優れた制作技術を示している。わずかに青みのある素地だが、上絵付けの赤絵は鮮麗で、瀟洒な線描も柿右衛門の特色である。各文様帯を区画する二条ずつの線のみに釉下の染付を用いている。 このような大振りの蓋のついた形式は、おそらくヨーロッパからの注文によるものであったと思われる。

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