重要文化財
諸尊図像
データ
作者 | 心覚撰 |
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時代 | 平安時代(12世紀) |
素材・技法 | 紙本墨画 二巻 |
サイズ | 上巻 32.0×全長 1122.0㎝ 下巻 32.0×全長 569.0㎝ |
解説
この『諸尊図像』二巻は、平安末期の代表的な図像研究家で、『別尊雑記』(五十七巻、安元元年頃完成)の撰者でもある心覚の筆になるといわれ、『別尊雑記』とほぼ同時期に完成した比較的古いものである。上巻に大日如来から始まって、如来・菩薩像六十七図を、下巻に妙見・聖天・大黒天など天部を中心に三十六図を描いている。 描線は細く伸びやかで、細部まで正確に描写されており、平安末期の仏画に見られるものと近い。東密・台密の両方にわたって図像を蒐集した心覚らしい律義な表現が、単に学僧の資料としてだけでなく、仏画としての芸術的価値をも生み出している作品である。