重要文化財
伝法正宗定祖図
データ
作者 | 定圓 |
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時代 | 平安時代 仁平4年(1154) |
素材・技法 | 紙本墨画 一巻 |
サイズ | 29.9×全長 1067.9㎝ |
解説
仏祖釈迦如来から第三十三祖慧能(えのう)までの祖師と、証宗衆賢十人を上段に図示し、下段にその略伝を記した『伝法正宗記』の一部である。『伝法正宗記』の撰者で北宋時代の僧契嵩(かいすう)は、当時の伝法相承の系譜に疑義をもち、これを正そうとしたといわれる。「伝法正宗定祖図」は、宋時代嘉祐6年(1061)に成立し、まもなく、蘇州(そしゅう)の万寿禅院で石碑に刻まれた。本図の巻末にはその見取図が描かれている。おそらく石碑の拓本をもとにして描かれたものであろう。本図の奥書には、「仁平四年七月十三日於禅林寺坐禅院書写之 一交了実任本弟子定圓」と記されており、禅林寺において書写された古本であることが判明する。