寒山拾得図
データ
作者 | 尾形光琳 |
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時代 | 江戸時代(18世紀) |
素材・技法 | 絹本墨画淡彩 一幅 |
サイズ | 88.7×30.6㎝ |
解説
禅宗画の厳しさとは違い、瀟洒(しょうしゃ)な隠逸人といった趣きのある作品である。この図に見られるように、光琳が漢画系の人物を描くと、目ざましいほど自由な解釈が与えられ、生き生きとした、親しみに満ちた表現となる。布袋(ほてい)や維摩(ゆいま)などの脱俗の人物や故事が選ばれることが多く、それに諧謔味のある戯画的な表現がなされる。光琳は、元禄14年(1701)四十四歳で法*ほつ*橋*きよう*の位を得ているが、本図に見られる「法橋光琳」の落款と「澗声(かんせい)」の白文方印から、法橋叙任後間もない頃の作と見られる。本図も、前図同様、酒井抱一編の『光琳百図』に収録されている。