山水・寿老人図団扇

データ
作者 | 尾形光琳 |
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時代 | 江戸時代(18世紀) |
素材・技法 | 紙本墨画 一面(表裏) |
サイズ | 24.3×24.0㎝ |
解説
宗達は「御影堂の扇の絵かきにて、古きものにて上手なり」と伝えられている。宗達が扇面の画家であるならば、光琳は団扇の画家である。団扇は、斗方(とほう)(四角い料紙)とともに、中国の宮廷画院で皇帝の御覧に供するために用いられた絵画の定型であった。中世の日本で、中国画院の絵画様式を習得した画家たちによって試みられ、江戸時代に社会生活の中に浸透して使われるようになったのは、光琳の活躍した元禄期(1688~1704)になってからである。表面の「山水図」は水墨で描かれており、墨の濃淡と筆触の巧みさに、光琳の円熟した技術の冴えが窺える。裏面には、寿老人が描かれており、飄々とした表現が光琳らしい趣きを示している。