円窓九美人図

データ

作者 鳥文斎栄之
時代 江戸時代(18世紀)
素材・技法 絹本著色 一幅
サイズ 87.3×34.5㎝

解説

鳥文斎栄之(1756~1829)は、天明・寛政期(1781~1801)の浮世絵黄金時代にあって、歌麿に拮抗して一派を形成し、独自の美人画を描いて名声を博した。栄之は旗本の家柄に生まれ、初め狩野栄川院典信(かのうえいせんいんみちのぶ)の許で本格的な画技を学び、後に清長風の浮世絵を描いた。また、栄之は絵具に対する知識も深く、気品の高い色彩感覚と的確な筆致を特色とした。本図は、円窓の内に、上段右から女師匠と武家の奥方、中段右から御殿女中・水茶屋の娘・町家の娘・町家の内儀、下段右から、花魁(おいらん)・官女・芸者と、九人の美女を描いている。それぞれ身分の異なる女性を、髪型や服装で描き分け、さらに九人のもつ生活の雰囲気を細密な描写で表している。清艶な美しさと気品の高い香気に満ちており、栄之の芸術的手腕が最高に発揮された代表作で、寛政期(1789~1801)の作と考えられる。

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