加彩騎馬人物俑
データ
時代 | 中国・前漢時代(前2~前1世紀) |
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素材・技法 | |
サイズ | 高59.1㎝ 長49.8㎝ 幅17.8㎝ |
解説
中国漢時代には、墓室を死者の生活空間とみなし、人物や動物、生活用具、家や楼閣などを木や陶器、金属、石などで作って墓に納める風習があった。これらを明器(めいき)といい、特に人物像を俑と呼んでいる。この種の騎馬人物俑は、前漢初期の楊家湾の古墓から類似品が五百体も出土しており、それらとほぼ同時期のものと考えられている。馬は、四肢を踏ん張って堂々と立ち、頸を伸ばしていななき、騎馬人物は一方の手で手綱を握り、もう一方の手に旗か槍等を持っていたものと思われる。全体をいくつかの部分に分けて型を使って作り、全体を組み合わせてから細部を修整し、窯に入れて焼き上げた後に赤・白・黒の顔料で彩色を施している。長い年月、土中にあると顔料は剥げ落ちてしまうが、本図の俑は彩色がよく残り、前漢時代の陶塑芸術の一端を窺うことができる好例となっている。