加彩馬俑

データ

時代 中国・唐時代(7世紀)
素材・技法
サイズ 高51.5㎝ 全長55.0㎝  幅28.0㎝

解説

唐時代、シルクロードを通って運ばれてくる西方の名馬は貴族高官にとって垂涎の的であった。本図の馬俑は、四肢が細くて長く、西方の産を思わせる。前肢の一方を高く上げ、頭を少しねじって踊るような姿である。考え深げな眼、ふくらんだ鼻孔、鼻筋のあたりの皮膚の張りや鼻先など、名馬の容姿を示している。たてがみの写実的な描写、飾り鞍や泥障(あおり)の模様など華麗精細な作行きである。技法的には、いくつかの部分に分けて型で作り、それらを合わせて全体の形を整え、窯に入れて焼き上げたもので、全体に白化粧をしてから、朱、緑、さらには一部に金彩など数種の顔料を使って細かく彩色を加えている。唐時代には、音楽にあわせて馬を踊らせる舞馬が流行したといわれ、この馬はそうした風俗をしのばせるものでもある。唐の加彩俑が最も優れた作品を制作した七世紀後半のものである。

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