青磁牡丹唐草文瓶
データ
作者 | 耀州窯 |
---|---|
時代 | 中国・北宋時代(11世紀) |
素材・技法 | |
サイズ | 一口 高28.8㎝ 口径6.2㎝ 胴径13.9㎝ 高台径7.9㎝ |
解説
やや鉄分の多い灰白色の磁質の土を用いた長頸の瓶である。高台部分のみが露胎(ろたい)で、他は全面に黄みを帯びた透明性の強いオリーブ色の青磁釉をかけ、釉下に彫り文様を施している。高台回りに蓮弁文をめぐらすほか、大部分の花唐草が鋭い片切り彫りで表してあり、要所に櫛目を加えている。彫りが深く、伸びやかで、彫り文様に溜った釉薬が表出する濃い陰影が文様をいっそう浮き立たせているところにこの種の青磁独特の魅力がある。河南・山西・山東地方など広く華北の窯で焼造した北方青磁の一つで、作行きが優れたこの種の青磁は、河南省の臨汝(りんじょ)窯などに先駆けて、北宋時代に陝西省の耀州窯で焼造された。遺品には鉢・皿・碗などの類が多く、壺・瓶・枕などの数はきわめて少ない。本図の瓶は類品の稀な耀州窯の作品中特に優れたものの一つとしてあげることができる。北宋期特有の端正な瓶の姿もよい。