花鳥図
データ
作者 | 伝 銭選 |
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時代 | 中国・南宋~元時代(13世紀) |
素材・技法 | 絹本著色 一幅 |
サイズ | 25.7×25.7㎝ |
解説
中国花鳥画の伝統は古く唐代に溯るといわれるが、それが小景の鑑賞画として完成するのは宋時代のことである。特に北宋時代末の徽宗(きそう)皇帝によって創られた画院の様式は、構図の安定、写生の徹底、余白の活用などを特色とし、静かな画趣が重んじられたが、南宋時代も進むと、画中の鳥獣の表現に動きが強調され、墨線が重視されるようになる。本図では、蜂をねらう野びたきの描写に、瞬時の緊張感が見事にとらえられており、梅樹や竹葉には、鋭く的確な線描が生かされている。色調に淡彩が目立つ点などから、南宋時代も末期以降の作と考えられる。