重要文化財
吉祥天曼荼羅図
データ
時代 | 鎌倉時代(13世紀) |
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素材・技法 | 絹本著色 一幅 |
サイズ | 124.0×66.0㎝ |
解説
吉祥天は、福徳を司る女神として信仰を集め、古来多数の彫像や画像が制作されてきた。この図は、左手に宝珠を捧げ、右手を与願印とする吉祥天を中尊として、両脇に梵天(ぼんてん)と帝釈天(たいしゃくてん)を配し、その上方に四天王を描く。図の上方には、散華供養(さんげくよう)する飛天と雲に乗った白象が配され、下方には、橋の架かった蓮池が見え、美しい紅白の蓮華が花開き、そのかたわらで一人の僧が香炉を持って供養している。この図様は、中国の阿地瞿多(あじくた)訳の『陀羅尼(だらに)集』第十に説かれているものであるが、本図のような彩色画の遺例は少ない。白象の描かれている画面上部の絹は後補だが、全体の図様は、当初の姿を伝えている。教王護国寺(東寺)伝来。