寒山図

データ

作者 一山一寧 賛
時代 南北朝時代(14世紀)
素材・技法 紙本墨画 一幅
サイズ 71.4×29.2㎝

解説

寒山・拾得(じっとく)図は、名刹(めいさつ)に恬然たる超俗的人物像として、禅宗絵画の好画題となり、鎌倉時代に発展する初期水墨画による作例が多く見られる。いずれも濃墨と淡墨を減筆風あるいは破墨風に使い、禅機あふれる画面となっている。本図は、経巻を手にしながら、視線は前方に据え、まったく字義にとらわれない寒山の姿を表している。顔の表現も、濃墨をきかした鋭い細線で描かれ、淡墨の隈取りを施し、独特の表情を見せている。衣文の線や、腰蓑・腰紐の描写もきわめて簡略ながら、的確に表現されている。図上には一山一寧の晩年の書風と思われる筆跡で賛が記されている。
(賛詞)
双澗声中
五峰影裏
展此一巻経
且不識字義
一種風顛世
無比
一山比丘一寧拝手
「一寧」「一山」

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