大黒天図

データ

作者 尾形光琳 中村内蔵助 賛
時代 江戸時代 宝永元年(1704)
素材・技法 紙本墨画淡彩 一幅
サイズ 93.2×28.9㎝

解説

数点遺されている光琳の大黒天図の中では比較的自由に表現された作で、画面中央下寄りに一つ俵に乗る左向きの大黒天が描かれるが、体の輪郭線は薄墨、衣裳や小槌などは濃墨で描いて対照的である。一つ俵の上に乗る形であるにもかかわらず、その向こうにはもう一つの俵が描かれており、通常の二つ俵の安定した形から動き出したような感を与える。
画面上部には賛が書かれているが、「風竹館主」は光琳の後援者として知られる銀座の役人中村内蔵助の号であり、また、賛が書かれた宝永元年(1704)は、光琳と内蔵助の関係が最も親密だった時期にあたっており、本図は内蔵助との関わりの中で描かれたものと見ることができる。光琳の大黒天図中でも最も資料的価値の高い作品である。
(賛詩)
早乙女のうたにあはすか足拍子
宝永元申年五月甲子風竹館主拝讃

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