唄比丘尼図

データ

時代 江戸時代(17世紀)
素材・技法 紙 紙本著色 一幅
サイズ 62.1×27.1㎝

解説

唄比丘尼とは、地獄絵などの仏画の絵解きをし、歌念仏して仏教を勧めて歩いた尼僧のことである。しかし、江戸時代初期には、髪を黒布で包み、笠をかぶり、仏画を入れた箱を手に持つ比丘尼の定まりの姿に隠れて、化粧をした美声の女性が、仏法を説くのではなく、門付(かどづけ)をして歩く町の遊女として横行した。そうした女性の特徴が、無地の薄黄の小袖の下からわずかに見える朱の下着や、魅惑的な表情などによく窺える。本図は、寛永から明暦年間(1624~58)の作であろう。

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