舞妓図

データ

時代 江戸時代(17世紀)
素材・技法 紙本著色 一幅
サイズ 93.1×38.5㎝

解説

江戸時代初期、元和期(1615~24)から寛永年間(1624~44)にかけて盛行した一群の遊楽人物屏風では、野外、室内を問わず、登場人物の数が少なくなり、個々の人物自体を鑑賞するようになった。このような屏風画中の美人群像から、後年寛文美人と呼ばれる一人立美人図が誕生するが、いわゆる寛文美人の中でも初期に属するものには、扇舞の一人立美人図が少なからず見出される。いずれも、御所風の髪型で、ふっくらとした優しい顔立の美人図であるが、以前の屏風形式の風俗図よりもいちだんと衣裳美の表現に力が注がれている。この図の舞妓の着ている小袖や打掛(うちかけ)が、摺箔(すりはく)や刺繍などの施された流行の衣裳として克明に描写されているのは、この傾向を示すもので、当時こうした美人風俗画を求めた人々の好みを反映したものといえよう。

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